前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて軟調な動きとなった。先週末の米雇用統計の結果を受けて、米国の年内利上げ観測が高まったが、ドル上昇の動きにも一服感が広がっており、利益確定の動きが先行した。また、日経平均株価が下落したこともドル売り・円買いの後押し材料となった。ただ、午後には株価がプラス圏まで上昇したこともあり、ドル/円は値を戻す動きとなった。米国は、ベテランズ・デーで休日となり、一部の市場が休場となったことから、材料に乏しく限定的な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)新規材料に乏しい中、日経平均株価が軟調な動きとなったことが材料視された。また、先週末にドルが大きく上昇したことで利益確定の動きが続いたことも影響し、ドル/円は軟調な動きとなった。
(2)午後には日経平均株価がプラス圏まで上昇したことなどを受けて、堅調な動きとなった。
(3)材料に乏しい中、ポジション調整のドル売りや、株価下落を嫌気してドル/円は軟調な展開が続いた。
本日のトピックス
東京市場では、日本の機械受注や豪州の雇用統計の結果が影響する可能性があるだろう。また、米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されているものの、米国の小売売上高、ユーロ圏や主要国のGDPの発表を週末に控えており、積極的な売買が手控えられる可能性も考えられる。そのため、結果が大きく予想と乖離しなければ、値動きは限定的と考えられる。ただ、複数の米当局者(イエレンFRB議長ら6名)の講演などが予定されており、金融政策に関する話が出るようなら、その発言内容に影響を受ける可能性も考えられる。また、ドラギECB総裁は、昨日出席した英中銀主催のフォーラムにおいて、金融政策への言及はなかったが、本日予定されている欧州議会で金融政策に関して言及するか注目したい。
11/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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27.0万件 | 27.6万件 |
前回は、改善予想に反して悪化し、5週ぶりの高水準となり、増加幅では2月以来の大きさとなった。また、4週平均は、1973年12月15日までの週以来の低水準となったが、3週連続のマイナスとなったこともあり、再び26万件台に上昇した。今回は、改善が予想されているものの、大きな低下は期待できないだろう。 | ||||
0:00 | 米国 |
9月JOLT労働調査[求人件数]
米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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540.0万件 | 537.0万件 |
前回は、過去最高水準から大きく低下したが、8月の指数ということで、季節的な要因(夏場の雇用減)とも考えられる。ただ、依然として高水準を維持しており、今回は改善が予想されている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、一目均衡表の雲を下抜ける形となった。現状では、加速・反転の兆しは見られないものの、軟調な動きが継続しており、この流れが続く可能性が考えられる。目先は、サポートラインを下抜けるかどうかがポイントとなり、下抜ける場合には一段の下げとなる可能性も想定しておきたい。上向きとなる場合には、雲近辺が上値のポイントとなるだろう。
気まぐれ投資コラム
一目均衡表【2】 基本的な見方(5) 先行スパン1と先行スパン2のクロス
先行スパン1と先行スパン2のクロスは、相場の流れを見るためのポイントとなることが多く、それまでの流れが転換する、又は加速するケースがよくある。上のチャートでは、明確な転換・加速に結びついているが、やや信頼性に欠ける面もあるため、“転換・加速の可能性が高まる”程度に認識しておいた方がよい。また、先行スパンの特徴(現時点から26日先に記される)から、何営業日後に転換の可能性が高まるかを予測することも可能であり、ある程度準備ができる。