前営業日トピックス
東京市場では、米国の12月利上げ観測を背景にドルが底堅さを維持する中、日本株が引けにかけてプラス圏に浮上したことで、円売り圧力も加わり、ドル/円は序盤から堅調な展開が続いた。その後は、反落する動きも見られたものの、米国市場では、再び12月の利上げ期待の高まりが材料視されたことや、ECBが年内に追加緩和に踏み切るとの見方もあり、欧米の金融政策の違いが意識され、ドル買い・ユーロ売りが優勢となった。ドルは円に対しても堅調な動きとなった。ただ、その後は、米長期債利回りが低下したことや、利益確定の動きも見られ、ドルはやや軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)新規材料に乏しい中、米国の12月利上げ観測を背景に、ドルが主要通貨に対して堅調な動きが続いた。また、下落していた日経平均株価がプラス圏まで値を戻す動きとなったことから、クロス円も堅調な動きとなった。
(2)米国市場では、米国の12月利上げ期待にECBの追加緩和観測も加わり、欧米の金融政策の違いが意識され、ドル買い・ユーロ売りが優勢となる。ドルは主要通貨に対して堅調な動きが続く。
(3)利益確定のドル売りの動きや、米長期債利回りが低下したことから、ドルは主要通貨に対して下げる場面もあった。
本日のトピックス
東京市場では、主要な経済指標の発表もなく、新規材料に乏しいものの、中国では主要な経済指標の発表が予定されており、この結果を受けて株価などに影響が出る場合には、為替市場にも影響が波及する可能性もあることから、結果には注目したい。また、米国はVeterans Day(ベテランズ・デー)の祝日となり、一部の市場が休場となることから、限定的な動きが予想される。
11/11の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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18:30 | 英国 |
9月ILO失業率[四半期]
英国家統計局より発表される国際労働機関の失業率。失業率の上昇は、英国労働市場の成長不足を意味する。結果として、高い失業率は英国全体経済の衰退を招く。高い数値は、ポンドに対してネガティブ(弱気基調)と見なされる一方で、低い数値はポジティブ(強気基調)と見なされる。
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5.4% | 5.4% |
前回の6-8月期の失業率は、横ばい予想に反して低下となり、2008年6月以来の低水準となった。今回も横ばいが予想されているが、予想外の結果となる場合には、ポンド相場にも影響する可能性が考えられる。マーケットでは、社会保障需給ベースの失業率も同時に発表されるが、ILOの失業率の結果が重視されている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ユーロ/円は、下げからの反発局面となっており、オシレーターのMACDでは両線がクロスしている。ここから両線の乖離幅が拡大するようなら、一段の上昇も期待できる。ただ、ここから上には、レジスタンスラインや一目均衡表の雲下限ラインもあることから、その辺りが上値のポイントとなるだろう。ここを上抜けるようなら一段の上昇も考えられるが、雲下限ライン近辺で上値の重い動きとなるようなら、反落となる可能性も想定しておきたい。
気まぐれ投資コラム
一目均衡表【2】基本的な見方(4) 三役好転・三役逆転
一目均衡表における重要な転換シグナルに「三役好転」、「三役逆転」がある。「転換線・基準線の交差」、「日々線が雲を抜ける」、「遅行スパンが価格を抜ける」、というすべての条件をクリアした場合がこれに当たり、特に信頼度の高いシグナルとして支持されている。また、3つの条件がすべてそろうことから、日本の国技に例えて「三役揃い踏み」と呼ぶこともある。『三役揃い踏み』の場合には、大抵「日々線が雲を抜ける」という条件が最後になるケースが多い。一目均衡表のシグナルに限らず、トレーダーの支持が高ければ高いほど、そのシグナルの信頼度は高まる傾向にある。一目均衡表の場合、日々線が雲を抜けることは特に重要なシグナルであり、トレーダーの支持も高いため、雲を抜けた後に上昇や下降の動きが加速するケースも多くなる。