前営業日トピックス
東京市場では、株価を意識した動きとなったものの、米雇用統計を控えて様子見ムードも強まりつつあり、やや限定的な動きとなった。ただ、終盤には、米長期債利回りが上昇したことで、日米の金利差の拡大が意識され、ドル買い・円売りが優勢となった。米国市場では、米雇用関連の経済指標がまちまちの結果となったことや、株価が軟調な動きとなったことから、ドル円・クロス円も軟調な動きとなる場面もあった。しかし、終盤には株価が下げ幅を縮小したことから、値を戻す動きとなったが、全般的に値動きは限定的となった。一方、英国のインフレ率の予想が下方修正されたことから、利上げ時期の後退が意識され、英ポンドは主要通貨に対して大きく下落する動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤から小動きの展開が続いたものの、終盤には米長期債利回りが上昇したことで、日米金利差拡大が意識され、ドル買い・円売りが優勢となった。
(2)序盤に発表された米雇用関連の経済指標がまちまちの結果となったことや、米雇用統計を控えてポジション調整のドル売りの動きも見られたこともあり、上値の重い動きとなった。
(3)下落した米株価が一時プラス圏まで値を戻したことを受けて、ドル/円も上昇したものの、終盤まで上値の重い展開が続いた。
本日のトピックス
本日は、米雇用統計の発表を控えて、東京市場から様子見ムードが強まる可能性も考えられる。ここにきて、米国の年内の利上げ期待も高まりつつあり、米雇用統計も一部で楽観的な見方も出ている。そのため、結果を受けて敏感に反応する可能性もあり、発表直後の動きには特に注意したい。市場では、年内の利上げ期待の残る米国と、追加金融緩和の可能性もある欧州や日本との金融政策の違いが意識されており、当面ドルの底固い動きが続く可能性が考えられる。
11/6の注目材料
時間 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 |
10月米失業率
労働力人口に占める失業者の割合で16歳以上の男女が調査対象。失業中の場合、就業が可能な状態か、過去4週間以内に求職活動を行ったかどうかで失業者かどうか判断される。
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5.0% | 5.1% |
前回は、5.051%となり、四捨五入でギリギリの5.1%となった。FOMCメンバーの9月時点の2015年末までの失業率予想である5.0%-5.1%はほぼ到達しており、失業率に関しては利上げに向けた障害にはなり難いと考えられる。そして、より改善が見られる場合には、利上げ期待を押し上げる要因となるだろう。 | |||
22:30 |
10月米非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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18.5万人 | 14.2万人 |
前回は、市場予想を大きく下回り、2ヵ月連続の+20万人割れとなった。そして、ドルを大きく下落させる要因にもなった。今回は、発表が近づくにつれてやや楽観的な見方も出ているが、注意は必要だろう。そして、単月ベースの結果も重要だが、流れを重視するという意味で3ヵ月平均値にも注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、やや上値の重い動きとなっており、一目均衡表では、転換線・基準線がクロスしており、目先基準線を下回る動きに注目したい。また、相場の方向性を示す基準線は、当面横ばいから上昇が続く可能性があるものの、米国時間には下向きに転換する可能性もあり、注目したい。下値のポイントは雲近辺であり、ここを下抜ける場合には一段の下落も想定しておきたい。
気まぐれ投資コラム
一目均衡表【2】 基本的な見方(2) 日々線が雲を抜ける
基本的な見方の2つ目は、日々線が雲を抜ける場合である。日々線が雲を上抜ける場合には、相場の方向性が「好転」、下抜ける場合には「逆転」すると言い、相場の転換シグナルと判断される。よく天気に例えて、“雲の上は晴れ”なので強気基調、“雲の下は雨”なので弱気基調と表現される。
※出所:FX総合分析チャート
一目均衡表においては、雲を重要視するトレーダーは多い。日々線の雲上抜けや下抜けは重要であるが、雲の上限や下限がサポートやレジスタンスとなる場合もある。そのため、日々線が雲に接近する場合や、雲突入後、雲を抜けた後の動きにも注目したい。