前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が堅調な動きとなったことを受けて、投資家のリスク志向の動きが先行し、比較的安全資産とされる円を売る動きが優勢となった。ただ、米雇用統計を控えていることもあり、午後には利益を確定させる動きも見られ、ドル/円は軟調な動きとなった。米国市場では、ADP雇用統計が市場予想を若干上回る結果となったことや、ISM非製造業景況指数が予想に反して上昇したことから、ドルは堅調な動きとなった。また、イエレンFRB議長が、下院金融委員会で12月の利上げの可能性に言及したことを受けて、ドルは一段の上昇となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤の堅調な株価動向を背景に、円売りが優勢となったものの、午後には利益確定の動きなどから、円を買い戻す動きが続いた。
(2)米国市場では、序盤に発表されたADP雇用統計が+18.2万人となり、予想の+18.0万人を若干上回る結果となったことを好感して、ドルは小動きながら堅調な動きとなった。
(3)ISM非製造業景況指数が予想の56.5に反して59.1となったことや、イエレンFRB議長が12月の利上げの可能性を示唆する発言をしたことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、郵政3社の上場後の動きや、本邦企業の決算発表に注目が集まっており、引き続き株価に左右される展開が予想される。ただ、米雇用統計を翌日に控えていることもあり、値動きは限定的だろう。米国市場では、昨日に続き雇用関連の経済指標(チャレンジャー人員削減数、非農業部門労働生産性、新規失業保険申請件数)の発表が予定されており、結果に注目したい。特に、米雇用統計を翌日に控えていることや、前日にイエレンFRB議長が年内の利上げの可能性に言及したこともあり、結果を受けて敏感に反応する可能性も考えられる。
11/5の注目材料
時間 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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26.0万件 | 26.0万件 |
10月の平均が25.9となり、4週の平均値は1973年以来の低水準となっている。今回が26.5万件以下なら、4週平均は1973年以来の低水準を維持できる。また、26.2万件以下なら(修正がない場合)前回値より改善する。 | |||
22:30 |
3Q非農業部門労働生産性(前期比年率)
農業部門を除いた労働者一人当たりの生産高を示した経済指標で、企業景況や個人消費への影響が大きく、景気動向を判断する指標として注目されている。
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-0.3% | 3.3% |
4-6月期は、昨年10-12月期から続いたマイナスからプラスに大きく改善し、2013年10-12月期以来の大きな上昇率となった。ただ、賃金の指標である単位労働コストは、2014年4-6月期以来のマイナスとなった。7-9月期はマイナスが予想されており、雇用統計も控えているので、賃金が低下する場合にはネガティブな反応も考えられる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
豪ドル/円は、軟調な展開が続いているが、1時間足ベースの一目均衡表の雲上限近辺でサポートされている。ただ、転換線と基準線がクロスしていることや、遅行スパンが価格帯を下抜けていること、そして方向性を示すとされる基準線が下向きに転換したことから、やや上値の重い展開が考えられる。目先、一目均衡表の雲を下抜ける動きとなる場合には、一段の下げとなる可能性も想定しておきたい。
気まぐれ投資コラム
一目均衡表【2】 基本的な見方(1) 転換線・基準線が交差する
基本的な見方の一つに転換線・基準線のクロスがある。一目均衡表でいうところの「それまでの均衡が崩れる」状態を意味し、相場における転換を示すシグナルの一つとなる。転換線が基準線を下から上抜けることを「好転」といい、転換線が基準線を上から下抜けることを「逆転」と呼ぶ。
一目均衡表の基準線は、相場の方向性を示すラインでもある。現状の相場の流れを見る場合には、基準線が上向きなのか、下向きなのか、横ばいなのかを見極めることが重要となる。そして、基準線が(1)や(4)のようにサポートやレジスタンスとなることも多い。また、基準線の上昇・下降が続いている時ほど、日々線は安定して上昇・下降を継続するが、基準線が(1)〜(4)のように横ばいの動きとなる場合には、日々線もやや不安定な動きとなることが多く、注目したいポイントの一つである。