前営業日トピックス
東京市場では、引き続き中国の景気後退が世界経済に影響するとの懸念を背景に、日経平均株価が下落、また上海株が下落したことも加わり、リスク回避の動きが優勢となった。米国市場では、米経済指標が軒並み市場予想を下回る結果となったことから、ドルが主要通貨に対して軟調な動きとなった。また、ダウ平均株価が大きく下落したことも影響して、ドル円・クロス円は上値の重い展開が続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)中国の景気減速懸念が引き続き材料視され、日経平均、上海株が下落したことを受けて、小動きながら円買いが優勢となった。
(2)米小売売上高、生産者物価指数がともに市場予想を下回る結果となり、ドルが主要通貨に対して軟調な動きとなった。
(3)米主要株価が下落となったことや、米国の利上げ時期の後退観測からドル売りの展開が続いた。
本日のトピックス
昨日の東京市場では、日経平均株価が2営業日続落となったことが為替市場にも影響したことから、本日の株価動向にも注目したい。また、豪州の雇用統計の結果にも注目が集まっている。そして、米国市場では、前日の米経済指標の悪化を受けて、米国の早期利上げ観測が後退したとの見方が広がっている。本日も重要な米国の経済指標の発表が続くことから、結果には注目したい。また、米国の複数の当局者による講演も予定されていることから、発言内容にも注目したい。
10/15の注目材料
時間 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 |
9月消費者物価指数(前月比)
消費者を対象とした小売りやサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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-0.2% | -0.1% |
前月は、1月以来のマイナスとなり、原油価格の下落などが影響した。9月は原油価格がやや上昇したものの、指数低下の要因となったガソリン価格の上昇には、やや時間差があることから、マイナスから脱却できているのかがポイントとなる。 | |||
21:30 |
10月ニューヨーク連銀製造業景気指数
ニューヨーク州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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-8.00 | -14.67 |
前月は、2ヵ月連続のマイナスとなった。最近の製造業関連の指標は、軒並み悪化が続いていることから、改善が見られるのか注目したい。 | |||
21:30 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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27.0万件 | 26.3万件 |
前週は、約3ヵ月ぶりの低水準に改善したが、市場予想では再び27万件台が予想されている。 |
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23:00 |
10月フィラデルフィア連銀景況指数
フィラデルフィア連銀の管轄であるニュージャージー、ペンシルバニア、デラウエアの製造業の景況感などを指数化した経済指標で、最も早く公表される製造業の景況指数の一つである。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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-2.0 | -6.0 |
前月は、2014年2月以来のマイナスに落ち込み、2013年2月以来の低水準となった。製造業関連の指標悪化を受けて、製造業の景気後退が指摘されている。今回は、改善するものの、2ヵ月連続のマイナス予想となっている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ポンド/円は、一目均衡表の雲を上抜けて一段の上昇となったものの、現状ではやや上値の重い動きとなっている。オシレーターのMACDでは、両線がクロスしており、目先軟調な動きも予測できる。MACDの両線が下向きとなり、乖離幅が拡大するようなら一段の下げとなる可能性も想定しておきたい。目先の下値ポイントは、一目均衡表の雲上限ライン近辺、またこの近辺ではトレンドラインも位置していることから注目したい。