前営業日トピックス
東京市場前半では、注目された日銀短観が想定内の結果となったことから、為替市場の反応は限定的となった。その後、日経平均株価が大きく上昇したことで、投資家のリスク回避の動きも和らぎ、円売りが優勢となった。東京市場終盤から海外市場序盤には、円買い戻しの動きが続き、追加緩和決定に慎重な見方を示した関係者の話が流れたことを受けて、円買いが加速する場面もあった。米国市場は、製造業関連の指標が悪化したことや、株価下落を受けて、ドル円・クロス円は下落したものの、雇用統計を控えてやや限定的な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が大幅上昇となったことを受けて、リスク回避の動きが和らぎ、円売りが優勢となった。
(2)午後の東京市場は、上昇した反動からドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、米国の雇用関連の指標が悪化したことや、「追加緩和決定にはなお状況を見極める必要がある」との関係者の話を受けて、円買いが加速した。特に、英訳された配信が日銀発となったことで、海外勢が反応する結果となった。
(3)NY市場では米ISM製造業景況指数が悪化したことから、ドルは一時下落したものの、反応は限定的となった。その後、値を戻す動きとなったが、株価下落を背景に、上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
本日の東京市場では、日本の雇用統計の発表以外に主要な材料がないことや、中国市場が国慶節で休場となることから、やや限定的な動きが予想される。また、海外市場では米雇用統計に注目が集まっており、発表までは様子見ムードが強まり、狭いレンジ内の展開が続く可能性が考えられる。米雇用統計では、結果が米国の利上げ時期を左右するとの見方もあり、思惑が交錯する可能性が考えられる。特に、市場予想に近い結果となるようなら、前回同様にやや乱高下となる可能性も想定しておきたい。
10/2の注目材料
時間 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 |
9月米失業率
労働力人口に占める失業者の割合で、16歳以上の男女が調査対象。失業中の場合、就業が可能な状態か、過去4週間以内に求職活動を行ったかどうかで失業者かどうか判断される。
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5.1% | 5.1% |
前回は、5.1%まで改善し、2008年4月以来、7年4ヵ月ぶりの低水準まで改善した。今回の市場予想では、約9割が横ばいを予想している。 | |||
21:30 |
9月米非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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+20.0万人 | +17.3万人 |
前回は、安定的な伸びとされる+20万人を下回る結果となった。しかし、過去2ヵ月分が上方修正されて実質+20万人を上回った。9月は+20万人予想だが、単月ベースで+20万人を上回るかどうか注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
米国タイム序盤では、流れが転換しやすいポイントで堅調な流れが一服し、反転して軟調な動きとなっている。そして、一目均衡表の雲下限ラインが上値の抵抗となっており、当面は下降する雲下限ラインを上抜けるかどうかに注目したい。一方、オシレーターのMACDでは、先行するラインが失速しており、両線下向きとなるようなら、軟調な展開が続く可能性が考えられる。
気まぐれ投資コラム
MACD 〜 ストキャスティクスとの比較
※出所:FX総合分析チャート
MACDとストキャスティクスは、同じオシレーター指標だが、パラメーター(指数の構成日数)が違うため、シグナルの出現のタイミングなどが異なる。そして、それぞれに適した相場展開があるため、現状の相場動向を見極めて使い分けることが有効。また、組み合わせて使うことでより効果的な分析が可能となる。