前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は比較的堅調な展開で始まった。そして、日経平均株価が大きく上昇したことを受けて、円売りが優勢となった。しかし、日銀の金融政策発表で、政策の据え置きが発表されたことを受けて円買い戻しが優勢となった。また、中国の主要株価が大きく下落し、これを受けて日経平均株価も上げ幅を大きく縮小する動きとなったことから、リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な展開が続いた。米国市場では、米小売売上高が堅調な結果となったことや、株価が大きく上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日銀が金融政策決定会合の政策発表で金融政策の維持を決めたことを受けて、円買いが優勢となった。また、上海株が大きく下落したことや、それを受けて日経平均株価も大きく上げ幅を縮小する動きとなったことで、リスク回避の円買いが強まった。
(2)米小売売上高が市場予想を下回ったが、前回結果が上方修正されたことや、エネルギー価格の下落分が消費に回っていることが示されたことを受けて、米景気に対する期待感が高まり、ドルが買われた。
(3)米ダウ平均株価が、前日比200ドル以上の上昇となるなど、堅調な株価動向を受けて、円を売る動きが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
FOMCは、本日から2日間の日程で行われ、2日目の17日(日本時間18日午前3時)に金融政策発表とイエレンFRB議長の会見が実施される。金融政策発表を控えて、全体的に様子見ムードが強まっている。ただ、前日のように株価の動向で動きが出る場合や、米経済指標の結果を受けて思惑が交錯する可能性も考えられる。そのため、アジア市場では中国株の動向に、米国市場では経済指標の結果には注目したい。また、米政策金利を占う上で2年債の動きにも注目したい。
9/16の注目材料
時間 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 |
8月消費者物価指数(前年比)
消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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-0.1% | 0.1% |
前回は、市場予想を下回る結果となり、前月から伸び幅が縮小したことで、金融政策当局者がインフレが2%の目標値に向かっていると確信を持って言い難い状況となった。今回は、マイナスが予想されており、FOMCを控えて懸念が残る可能性もあり注目したい。 | |||
23:00 |
9月NAHB住宅市場指数
全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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61 | 61 |
前回は、2005年11月以来の高水準、また半年先の見通しも10年ぶりの高水準となるなど、堅調な住宅市場を示唆する結果となった。今回は、横ばい予想だが、引き続き高水準が維持されるかどうか注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ユーロ/ドルは、一目均衡表の雲下限を下抜けており、当面は軟調な動きも考えられる。目先は、下値サポートの1.1258を下抜けるかどうかに注目したい。ここを下抜ける場合には一段の下げも考えられ、その場合の下値目標の計算値は1.1216と計算できる。 上値のポイントは、一目均衡表の雲近辺と考えられ、雲上限ラインの1.1314〜1.1316(8時〜21時)を上抜ける場合には一段の上昇も想定しておきたい。オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小していることから、クロスして上向きとなるようなら、目先堅調な動きも考えられるが、乖離幅が拡大するようなら軟調な動きが継続する可能性もあることから、ラインの動きにも注目したい。
気まぐれ投資コラム
FOMC直前(2) 〜 過去の米国利上げ時のドル/円の動き
※出所:BloombergのデータからSBILM作成
米国の過去の利上げ時のドル/円の動きを見てみると、(1)〜(3)において利上げ直前に上昇しているのがわかる。利上げ直前の6ヵ月間で見ると、平均4円の上昇となっている。しかし、利上げ後の6ヵ月間でみると、平均10円以上の下落となっている。そして、今回も利上げ期待の高まりを背景に、ドル/円の上昇傾向が続いている。ただ、直近の6ヵ月間で見ると、最近の下げの影響で1円の上昇に留まっている。今回は、以前とは異なり、長期間低金利政策が続いていることから、より利上げに対する期待度も大きく、昨年からのドルの大きな押し上げ要因となっていると考えられる。このことから、今回も「噂で買って事実で売る(sell on fact)」という動きとなるのか注目したい。また、利上げの期間もその後の相場展開に影響している。(3)のように2年に亘る利上げの期間が続く場合や、(1)(2)のように利上げサイクルの終了後に上昇する場合もある。そのため、利上げサイクル(利上げ実施の期間)などにも注目したい。(Bloomberg社のデータを基に作成)