前営業日トピックス
アジア市場や、欧米市場の株価が軒並み大きく上昇したことを受けて、投資家のリスク志向の動きが強まり、比較的安全な資産とされる円を売る動きが優勢となった。そのため、ドル円・クロス円はアジア市場から堅調な展開が続いた。しかし、米国市場では、午後に入ると株価の上昇も一服となり、その後下げ幅を拡大する動きとなったことから、円を買い戻す動きが強まり、ドル円・クロス円は反落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が、21年ぶりの上昇幅を記録するなど、大幅上昇となったことを受けて、安全資産とされる円を売る動きが優勢となり、ドル円・クロス円は軒並み大きく上昇となった。
(2)欧米市場でも、主要株価が大きく上昇したことや、雇用関連の米経済指標が統計開始以来の高水準となったことを受けて、引き続きドル円は上昇となる。
(3)米主要株価がマイナス圏まで下落し、下げ幅を拡大する動きとなったことから、円を買い戻す動きが強まり、ドル円・クロス円は反落となる。
本日のトピックス
米国市場の午後には、堅調だった株価が下落に転じたことから、東京市場での株価の動きには注目したい。昨日の大幅上昇の反動から軟調な動きとなる場合には、リスク回避の動きから円を買い戻す動きが強まる可能性もあるだろう。また、米国の主要な経済指標の発表も予定されていることから、こちらの結果にも注目したい。
9/10の注目材料
時間 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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27.5万件 | 28.2万件 |
先週までは8月分の結果となり、例年雇用が減少する月であることから、失業保険を申請する人数が増えたが、今回はほとんどが9月分となることから若干改善が予想されている。 | |||
21:30 |
8月輸入物価指数(前月比)
輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
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-1.6% | -0.9% |
先月は、3ヵ月ぶりにマイナスとなり、1月以来の下げ幅となった。今回は、前月からさらにマイナス幅が拡大するとの予想となっている。8月は、原油価格の下落が続いたことから、その影響が出ると見られている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、トレンドラインを下抜けて一段の下げとなっており、一目均衡表の転換線・基準線も下抜けている。方向性を示すとされる基準線は、上向きが継続(120.53〜120.70 8時〜15時)するものの、価格が基準線を上抜けずに乖離するようだと、軟調な動きが続く可能性も考えられる。そして、基準線・転換線のクロス、両線下向きとなるようなら、下げ継続となる可能性も考えられる。下値の重要なポイントは、雲上限ラインの119.69〜120.44(8時〜21時)、雲下限ラインの119.51〜119.90(8時〜21時)近辺となる。一方、上値のポイントは、基準線、転換線、そして121.19がポイントとなる。
気まぐれ投資コラム
オシレーター分析(2)ストキャスティクス(Stochastics)(3) 〜ストキャスティクスの逆行現象
※出所:FX総合分析チャート
ストキャスティクスは、通常価格と同じ方向に動くが、高値圏や安値圏において価格の動きと逆方向に動く現象がある。これが逆行現象(ダイバージェンス)でり、基本的には指数が80%以上または20%以下の時には重要な売買シグナルとなる場合が多い。逆行現象は、オシレーターが最大限の効用を発揮し、最も信頼性の高い現象と言える。そして、反転後直近のサポート、レジスタンス(安値及び高値)を抜ける場合には、一段の下落及び上昇となるケースがよくある。