前営業日トピックス
週明けで新規材料に乏しい中、日経平均株価や上海株が下落したことを受けて、投資家のリスク回避の動きが強まり、安全資産とされる円を買う動きが優勢となった。その後は、先週FRB副議長が9月の利上げの可能性を排除しない旨を示唆する発言が意識されたことや、株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、積極的に売りにくく、やや値を戻す動きとなった。米国市場では、材料に乏しい中、米長期債利回りの動きに左右される動きとなったものの、米雇用統計を週末に控えていることもあり、限定的な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場は、日経平均株価や上海株の下落を背景に、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円はやや軟調な動きとなる。
(2)米国市場は小動きの展開で始まったものの、主要な経済指標の発表もなくやや新規材料に乏しい中、米長期債利回りが低下したことから、ドル売り・円買いが先行した。
(3)米国債が月末のポジション調整などの動きから売りが優勢となり、利回りが上昇したことを受けて、ドル/円は一時上昇する動きとなった。しかし、週末の米雇用統計を控えて様子見ムードも強く、その後は小動きの展開が続く。
本日のトピックス
週明けのアジア市場も株価動向に左右される動きとなり、引き続き株価動向には注目したい。そして、豪州の金融政策発表が予定されており、結果には注目したい。現状では、来年まで据え置きが予想されているものの、中国経済の失速の影響で豪州企業などの投資が細るようなら、年内の利下げの可能性も考えられることから、豪中銀の声明や当局者の発言には注目したい。また、米国市場では、本日から主要な経済指標の発表が連日続くことから、結果には注目したい。ただ、市場予想と乖離しなければ、限定的な動きが予想される。
9/1の注目材料
時間 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 |
8月米ISM製造業景況指数
全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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52.5 | 52.7 |
前回は、前月から低下となり、市場予想も下回る結果となった。下半期の製造業は改善が期待されているものの、緩やかなペースになるとの見方がコンセンサスとなっている。8月は、原油価格が下落している影響が出るのか注目だが、市場予想は前回から若干の低下が予想されている。 | |||
23:00 |
9月米IBD/TIPP景気楽観指数
米インベスターズ・ビジネス・デーリー(IBD)とテクノメトリカ・マーケット・インテリジェンス社がまとめて発表する消費者関連指数。ミシガン大やコンファレンスボードの消費者信頼感指数の先行指標として注目されている。消費者信頼感指数と同様に50が判断の基準となり、50を上回ると楽観的と判断する。
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47.5 | 46.9 |
前回は、市場予想を下回り、前月から1.2ポイント低下し、昨年11月以来9ヵ月ぶりの低水準となった。また、判断基準となる節目の50は4ヵ月連続で下回っている。今回は、前回から若干改善が見込まれているものの、早期の50回復が待たれる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
豪ドル/円は、一目均衡表の雲の中での展開が続いており、目先は上下どちらに抜けるのかに注目したい。雲下限ラインは86.00〜86.39(8時〜21時)、雲上限ラインは86.62〜86.53(8時〜21時)となる。また、22時(±2時間)は、相場の流れが転換・加速となりやすい時間帯であることから、この時間帯の方向性には注目したい。そして、オシレーターのRSIでは、25%水準からラインが上向きとなっており、目先は50%を上抜けるのかに注目したい。
気まぐれ投資コラム
オシレーター分析の中で人気の高いRSI(Relative Strength Index)(1)
※出所:FX総合分析チャート
RSIは、米国のチャート研究家の W・ワイルダー氏によって考案された分析方法で、相場の買われすぎ、売られすぎを示すテクニカル指標である。オシレーター分析の中では最も活用されている分析方法であり、W・ワイルダーは14日間の指数が最適であるとしている。基本的には、70%以上で買われすぎ、30%以下で売られすぎと判断すべきとしているが、よりシビアなシグナルを追及するため、パラメーターを14日に設定の場合には75%以上〜25%以下に、また、振れ幅のやや大きい9日に設定の場合には80%以上〜20%以下がよく使われる。