前営業日トピックス
引き続き株価動向に左右される動きが続いており、東京市場では堅調な株価動向を背景に、ドル円クロス円は堅調な動きとなった。その後、懸念されている上海株価が下落したことや、欧州主要株価が下落して始まったことから、やや軟調な動きとなった。米国市場では、経済指標が予想を上回る結果となったことから上昇したものの、その後は要人発言を受けて下落する場面もあった。ただ、米株価が大きく上昇した事もあり、終盤には再び堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が午後に入り下げ幅を拡大する動きとなったことを受けて、投資家のリスク志向も高まり、安全資産とされる円を売る動きが優勢となる。
(2)日経平均の引け後に、上海株が下げ幅を拡大する動きとなったことや、欧州主要株価が軒並み大幅下落となったことから円を買い戻す動きとなった。ただ、米株価先物が大きく上昇していたこともあり、やや底固い動きも見られた。
(3)米耐久財受注がマイナス予想に反して2ヵ月連続でプラスとなったことを好感してドルが買われる。
(4)ダドリーNY連銀総裁が、地元での講演で「9月の利上げ確率は非常に低い」、「利上げ時期を判断する前に一段の指標を見極めたい」と慎重姿勢を示したことから、利上げ期待が後退し、ドルが売られる。
本日のトピックス
世界的な株価下落がやや一服する動きが見られたものの、昨日は欧州株が大きく下落するなど、不安が払拭したとは言いにくい状況である。今回の株価下落で、世界的な景気鈍化懸念も出ている。その中で、量的緩和策を終了させ、利上げが近いとされる米国のGDPの発表が予定されている。速報値からの上昇が予想されており、マーケットの雰囲気を変えることができるのか注目される。また、各市場でも株価は相変わらずに不安定な動きが続いており、当面は株価動向に左右される展開が続くと考えられることから、株価動向にも注目したい。
8/27の注目材料
時間 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 |
2Q米GDP(前期比年率)
一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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3.2% | 2.3% |
1Qは、寒波などの天候要因が長引いたことにより、低成長となったが、前回の2Q速報値は+2.3%と前期から改善した。そして、今回の改定値では+3.2%が予想されており、2014年7-9月期以来の高成長となるのか注目したい。また、GDPの7割を占める個人消費も同時に発表されることから、こちらが伸びるのかどうかにも注目したい。 | |||
21:30 |
米新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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27.5万件 | 27.7万件 |
7月中旬から4週連続で増加(悪化)が続いており、今回は前回から減少が見込まれているものの、引き続き27万件台が続くことが予想されている。夏場の雇用の減速期であることから、大きな改善は期待できない。 | |||
23:00 |
7月米中古住宅販売成約(前月比)
全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
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1.0% | -1.8% |
前回は、予想外のマイナスとなり、7ヵ月ぶりにマイナスに転じ、2013年12月以来の大きなマイナス幅となった。今回は、プラスに改善が予想されている。米経済の牽引役となっている住宅関連の指標であり、早期改善が期待されている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ユーロ/円は軟調な動きが一服し、もみ合いの展開が続いている。目先の上値ポイントは136.01、ここはもみ合いの中で一時的に上抜けるものの、終値ベースで抜けておらず、完全に抜けるかがポイントとなる。ここを上抜ける場合には(1)136.48、(2)トレンドライン、(3)雲下限(137.29〜137.08 8時〜21時)がポイントとなる。また、オシレーターのMACDでは、両線がクロスとなり、乖離幅が拡大するようなら、上昇を示唆する形状となる。ただ、途中で乖離幅が縮小する場合などは流れが変わる可能性も想定しておきたい。また、ゼロライン近辺での失速が続いていることから、ゼロライン近辺のラインの動きにも注目したい。下値のポイントは135.44、ここを下抜ける場合には一段の下げも想定しておきたい。
気まぐれ投資コラム
2本の移動平均線を使用した場合の重要シグナル
※出所:FX総合分析チャート
価格と移動平均線の位置関係に着目した「グランビルの法則」とは別に短期移動平均線と中期移動平均線の2本を使用して相場の転換を測る方法がある。短期移動平均線が中期移動線を下側から上抜ける場合をゴールデンクロスといい、短期移動平均線が中期移動平均線を上側から下抜ける場合をデッドクロスという。
移動平均線の日柄は重要であり、上図では短期線を10日、中期線を20日に設定している。両線の日数を近づけると両線の間隔が縮まり、広げると間隔が広がる。間隔が狭いと判断が難しくなり、間隔が広いとシグナルが遅くなることから、丁度良い日柄を設定する。チャートを見てわかる通り、相場の動きとシグナルのタイミングを比較すると、移動平均線のシグナルは実際の相場の転換からだいぶ遅れているのが分かる。この手法は中長期の相場の流れを見極めるのに有効だが、短期的な転換を見極めるのには適していない。