前営業日トピックス
週明けから引き続きアジアや欧州市場の株価下落を受けて、投資家のリスク回避の動きが続き、比較的安全資産とされる円を買う動きが優勢となった。アジアや欧州市場では、断続的に円が買われる動きとなった。NY市場では、序盤やや値を戻す動きが見られたものの、米株価が大幅な下落となり、ダウ平均株価が1000ドル安上回る下げ幅となったことを受けて、円買いが加速し、ドル円・クロス円は大きく下落する動きとなった。ドル/円は116.35まで下落し1月16日以来の安値を付け、特に資源価格の下落も影響した豪ドル/円は、2012年11月以来の安値を付ける動きとなった。一方、ユーロは対ドルで1月15日以来の高値を付けるなど、主要通貨に対して堅調な動きとなったものの、対円では8月7日以来の136円台前半まで下げる動きとなった。その後は、株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)アジアや欧州市場の株価下落を受けて、ドル円・クロス円は断続的な下げが続いた。
(2)米株価先物市場で株価が急速な下落となったことを受けて、円買いが強まり、ドル/円は116.35まで下げる動きとなった。
(3)その後、米ダウ平均株価が序盤に1000ドル以上の下落となったものの、先物市場でダウ先物が1000ポイント以上の下落となっていたことから、ダウ平均の下落は織り込まれており、ドル円の反応は限定的となった。その後、株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル/円も下げ幅を縮小する動きとなった。
本日のトピックス
中国経済の先行きを懸念した株価下落が世界的に波及しており、アジア市場で株価下落が一服するのかどうか注目したい。アジア市場で引き続き株価が下落となる場合には、再びマーケットではリスク回避の動きが強まる可能性が考えられる。NY市場では、主要な経済指標の発表が予定されているものの、世界的な株価下落が続き、景気鈍化懸念が出ていることで、米国の利上げ期待も後退している。このことから、指標の結果に対する反応はやや限定的となる可能性も考えられる。むしろ、株価の動向に反応する可能性の方が高いだろう。
8/25の注目材料
時間 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 |
8月米消費者信頼感指数
米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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93.4 | 90.9 |
前回は、市場予想を大きく下回る結果となり、2014年9月以来の低水準となった。 また、下げ幅では2011年8月以来の大幅低下となった。特に、期待指数が大きく悪化したことから、消費者が米経済の先行きに不安を抱いていることが明らかとなった。今回は、前回からの改善が予想されているものの、最近の世界的な株価下落などもあり、改善に対する反応は限定的と考えられる。一方で、低下となる場合には、敏感に反応する可能性も考えられる。 | |||
23:00 |
7月米新築住宅販売件数
米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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51.0万件 | 48.2万件 |
前回は、市場予想を下回り、昨年11月以来7ヵ月ぶりの低水準となった。また、安定的な伸びとされる50万件台を3ヵ月ぶりに下回る結果となり、米経済を支えてきた住宅市場にもやや一服感が広がっている。今回は、50万件の回復が予想されており、50万件を上回るのかどうかに注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、サポートラインを下抜けを繰り返し段階的に下げる展開が続いている。目先は、引き続き方向性を見極めたい。オシレーターのMACDでは、両線クロスしていることから、目先は値を戻す展開を示唆する形となっている。目先は、レジスタンスの119.55を上抜けるのか、サポートの117.81を下抜けるのかを見極めたい。
気まぐれ投資コラム
移動平均線と価格の位置関係に着目した買いシグナル〜グランビルの法則(1)
※出所:FX総合分析チャート
移動平均線と価格の位置関係に着目したグランビルの法則には、売り買い8つのシグナルがある。(1)は価格が移動平均線を上抜ける。(2)は価格が移動平均線を下抜けるが再び移動平均線を上抜ける。(3)価格が移動平均線を下抜けずサポートされる。(4)は移動平均線と価格が下降している局面で移動平均線から大きく乖離する。この4パターンがグランビルの買いシグナルである。 (1)は主に新規買い、(2)(3)は押し目買い、 (4)は行き過ぎ狙い(売りポジションの利益確定など)の判断によく利用されている。また、(2)(3)(4)の場合、下影線となるローソク足などが出る場合には比較的見極めやすくなる。(1)は重要な転換シグナルとなり、(3)も比較的見極めやすい。ただ、(2)は相場の転換と判断がやや難しく、自身でのルール(2日連続で下抜け、2日連続で陰線など)を作って判断したい。(4)もやや判断が難しく、下影線(ローソク足の足型)などを参考に複合的に判断したい。