前営業日トピックス
東京市場では、上海株の動きを受けてクロス円は動きが出たものの、ドル/円はFOMCの議事録公開を控えてやや限定的な動きとなった。米国市場では、序盤に物価関連の経済指標が発表されたが、予想を下回る結果となり、ドルが売られたものの、6ヵ月連続の上昇となったことで買いも入るなど、売り買い交錯する動きとなった。その後は、アジアや欧州の株価下落を受けて、米国株も大きく下落する動きとなり、リスク回避の動きが強まったことから、ドル円・クロス円は軟調な動きも見られた。そして、FOMC議事録公開では、予定時刻よりも早く公開されるハプニングがあった。議事録では、大半のメンバーは利上げが近づいたとの見方が一致したものの、条件を満たしておらず、さらなる改善が必要との見解が示されたことから、早期利上げ期待が後退し、ドルは主要通貨に対して売られる動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米消費者物価指数が前月比で予想を下回ったことから、ドルが売られたものの、6ヵ月連続でプラスとなったことや、前月比のコア指数が予想通り堅調な伸びとなったことから買いも入り、やや売り買い交錯する動きとなった。
(2)アジアや欧州の株価下落を受けて、米主要株価も大きく下落となったことから、リスク回避の動きが強まり、ドル/円は軟調な動きとなる。
(3)情報会社が、ミス配信で時間前に配信してしまったことから、FRBも時間前(2時47分頃)に公開することになった。議事録では、利上げ時期は近づいたが、条件は満たしていないとの見解が示され、ドル売りに反応。ドル/円は下落する一方、ユーロドルは上昇となった。
本日のトピックス
FOMCの議事録公開を受けて、9月の利上げ期待が後退しており、東京市場でもこの影響が残る可能性が考えられる。特に、東京市場では、引き続き中国株などの動きにも注意したい。米国市場では、重要な経済指標の発表が予定されているが、やや前回から低下が予想されている。前日のFOMC議事録で9月の利上げ期待が後退しているだけに、予想通り低下となる場合には、ドル売りが強まる可能性も想定しておきたい。
8/20の注目材料
時間 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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27.1万件 | 27.4万件 |
3週連続で増加しており、やや懸念の残る結果が続いている。夏場の雇用減退時期であることから、今回も27万件台が予想されている。 | |||
23:00 |
7月中古住宅販売件数
所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標のである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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543万件 | 549万件 |
前回は、2007年2月以来の高水準となり、米景気を支える住宅市場の堅調さを示す結果となった。ここまで安定的な伸びの目安とされる500万件を4ヵ月連続で上回っており、今回は増加が続いた反動でやや伸びが縮小すると予想されている。しかし、依然として500万台の大台を維持することで、堅調な中古住宅市場の陰りとはならないだろう。 | |||
23:00 |
7月景気先行指数(前月比)
米国の民間調査機関のコンファレンスボードが発表する指標で、株価や金利、企業業績、マネー・サプライなど景気に先行して動く10種類の経済指標を指数化した経済指標。景気の方向性や転換点を判断する上で参考にされる。
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0.2% | 0.6% |
3ヵ月連続で大きな伸びが続いており、ややその反動から伸び幅の縮小が予想されている。ただ、前月も寄与度が大きかった住宅着工許可件数は、先日8年ぶりの高水準となっていることから、予想以上の上振れとなる可能性も考えられる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
昨日は、序盤の軟調な動きとなったものの、その後は堅調な動きとなり、一目均衡表の雲下限近辺まで上昇した。しかし、相場の流れが加速・反転となりやすい時間帯に反転となり、下落に転じている。そして、サポートラインの90.92を下抜けて一段の下落となった。その後反転したものの、再び雲下限近辺で上値を抑えられる動きとなっている。このことから、目先の上値は雲下限近辺と考えられる。また、その近辺にはトレンドラインも位置していることから、注目したい。下値のポイントはサポートラインの90.74、ここを下抜ける場合には一段の下げも考えられる。