【米国雇用コスト指数が予想を下回り、ドルは対主要通貨で一時全面安】
先週末東京市場のドル円は日経平均および上海株を睨みながら小幅な値動きが続いた後、欧州市場に入り「黒田ライン」を否定する報道が好感され、上値を試す場面もあったものの、月末需給に絡むドル売り観測を背景に伸び悩み。
こうした中、米・4-6月期四半期雇用コスト指数が市場予想を大きく下回り、9月利上げ観測が後退したことから、ドルは対主要通貨で全面安、ドル円も124円37銭から123円52銭へ反落。その後、年内利上げの観測に大きな変化がないとの見方から、持ち直し一時124円台を回復したものの、123円台後半で先週末のNY市場の取引を終了。
一方、米国株式市場は石油大手の大幅減益決算が嫌気され、ダウは3日続落、一方でナスダック、S&Pは小幅安で取引を終了。9月利上げ観測の後退による長期債利回り低下も株価上昇には繋がらず軟調推移。
また原油安を嫌気してカナダなど資源国通貨が対ドルで下落して取引を終了。
(図1 白・・・ドル円、黄色・・・米10年債利回り、オレンジ・・・S&P株価)
(出所:ブルームバーグ)
欧州市場序盤ではドル高を背景としたユーロ売り、ポンド売りが一時進むも、欧州コアCPIが市場予想を上回ったことを受け、持ち直す展開に。その後、米国雇用コスト指数の下振れによるドル全面安が追い風となり、ユーロ、ポンドともに一時上値を追う場面も見られた。
(図2 白・・・ユーロドル、オレンジ・・・ポンドドル、黄色・・・ユーロポンド)
(出所:ブルームバーグ)
安値圏での推移が続いた豪ドル、NZドルはドルを睨みながらの推移に終始した。
(図3 白・・・豪ドル米ドル、オレンジ・・・NZドル米ドル、黄色・・・ドルインデックス)
(出所:ブルームバーグ)
CME通貨先物市場の円売りポジションが2週連続の拡大。一方、ユーロ売りポジションは3週ぶりの減少。夏休み相場で商いが薄く、投機筋のポジションにも依然大きな変化はなく、雇用統計前に様子見ムードが強まりつつある。
(図4 白・・・円ドル、オレンジ・・・IMM通貨先物ポジション(円対ドル))
(出所:ブルームバーグ)
(図5 白・・・ユーロドル、オレンジ・・・MM通貨先物ポジション(ユーロ対ドル))
(出所:ブルームバーグ)