【米生産者物価指数、ミシガン信頼感が改善を見せるも、ドル円はレンジの動き】
東京市場では、ドイツ政府がギリシャのデフォルトに備えて準備しているとの報道を受け、ドル/円は一時123.30円台までリスク回避の円買いが進むも、欧州市場では米10年債利回りの低下が一服、123.80円水準まで持ち直す。その後、PPIやミシガン消費者指数などの米経済指標が改善結果を見せ、ドル/円は瞬間跳ねる場面もあったが、週末を控えてポジション調整が優勢となり、上値の重い展開が続いた。一方、米株式市場はギリシャ債務問題への警戒感やFRBによる早期利上げへの思惑が重しとなって下落した。
(図1 白・・・ドル円、黄色・・・米10年債利回り、オレンジ・・・S&P株価指数)

(出所:ブルームバーグ)
【ギリシャ関連など依然売り材料も消えず一時下落も、ユーロはじり高に】
「ドイツ政府がギリシャのデフォルトに備えて準備」との報道や、メルケル独首相からのユーロ高けん制発言が材料視され、ユーロ売りが加速し、対ドルで一時1.11ドル半ばまで下値を広げたものの、ドル売り圧力が意識される中で持ち直す動きも見られた。一方、英中銀委員の発言を受け、利上げへの期待が高まり、ポンドは堅調地合いを維持しており、S&Pによる英国格付け見通しの引き下げにも下落幅は限定的だった。
(図2 白・・・ユーロドル、オレンジ・・・ポンドドル、黄色・・・独10年債利回り)

(出所:ブルームバーグ)
CME通貨先物市場の円売りポジションは、3週連続で拡大し、約8ヵ月ぶりの高水準となった。一方、ユーロ売りポジションは2週連続で縮小し、こちらは逆に約6ヵ月ぶりの低水準となった。ヘッジファンドなどの投機筋が大量の円売りに動く一方で、当局要人からのドル高・円安けん制発言も相次ぎ、今後もヘッドラインなどによる相場急変には注意が必要。
(図3 白・・・円ドル、オレンジ・・・IMM通貨先物ポジション(円対ドル))

(出所:ブルームバーグ)
(図4 白・・・ユーロドル、オレンジ・・・IMM通貨先物ポジション(ユーロ対ドル))

(出所:ブルームバーグ)