【予想を上回る米雇用統計結果にドルは対円で13年ぶりの高値まで上昇】
欧州市場では、ドル/円は米雇用統計の改善期待や米長期金利の上昇もあって底堅く推移していた。その後、米雇用統計は予想を上回る内容となり、改めてFRBによる早期利上げ観測が高まり、ドル/円は約13年ぶりの高値を付けた。一方、米国株式市場は利上げ期待の高まりから売りが先行するも、景気回復が持続するとの期待感も根強く、もみ合いの展開となった。
(図1 白・・・ドル円、黄色・・・米10年債利回り、オレンジ・・・S&P株価指数)
(出所:ブルームバーグ)
ユーロは欧州市場序盤から独長期金利の上昇から、対ドルで1.1280ドル水準まで持ち直す場面も見られたが、米雇用統計後にドル買いが優勢となったことから一時1.10ドル台中盤まで下落、その後は上値の重い展開となった。
(図2 白・・・ユーロドル、オレンジ・・・独10年債利回り、黄色・・・ドルインデックス)
(出所:ブルームバーグ)
ポンドは対ドルで軟調展開となるも、対円では底堅く推移しており、連日高値を更新している。
(図3 白・・・ポンドドル、黄色・・・ポンド円)
(出所:ブルームバーグ)
CEM通貨先物市場の円売りポジションは、2週連続で拡大し、約5ヵ月ぶりの高水準となった。一方、ユーロ売りポジションは2週間ぶりに縮小し、こちらは逆に約5ヵ月ぶりの低水準となった。今回の円安局面では、ヘッジファンドなどの投機筋が大量の円売りに動いたこともあり、強い米雇用統計の結果も追い風となって、ドル/円は約13年ぶりの高値を付けた。ただし、相場の急変に警戒を強めつつある当局の動きには注意が必要。
(図4 白・・・円ドル、黄色・・・IMM通貨先物ポジション(円対ドル))
(出所:ブルームバーグ)
(図5 白・・・ユーロドル、黄色・・・IMM通貨先物ポジション(ユーロ対ドル))
(出所:ブルームバーグ)