シカゴIMM投機筋ポジション
※出所:SBIリクイディティ・マーケット
2024年に141円09銭で取引を開始したドル円は、7月3日に161円95銭まで円安が進行しましたが、IMM投機筋の円ポジションが2007年6月以来の大幅な売り越しとなるなどクロス円も含めた円独歩安となりました。その後、本邦通貨当局の円買い介入などを経て円安が一服。さらに、9月のFOMCを前に0.50%の利下げ検討が報じられ23年7月以来の139円58銭まで下落しました。しかし、11月の米大統領選挙でトランプ候補が勝利して以降、投機筋の円ポジションは9月24日時点の66,011枚の買い越しをピークに米大統領選挙後の11月12日時点は64,902枚の売り越しに転じ、直近12月31日時点では8,443枚の売り越しとほぼ均衡した状況にあります。
さらに、現状ではユーロや豪ドルの売り越しが目立つ中、買い越しとなっているポンドも7月23日時点の142,183枚の買い越しをピークに米大統領選挙以降、買いポジションを縮小するなど、投機筋は概ねドル一強を見込んでいると見られます。
※出所:SBIリクイディティ・マーケット
実際、6日の全国銀行協会での新年賀詞交歓会で植田日銀総裁は「緩和調整のタイミングは、経済・物価・金融情勢次第」との認識を明らかにしたものの、「トランプ次期政権の政策を巡る不確実性は大きい」としたほか、「春闘に向けた動きがポイント」としており、少なくとも今月の利上げはないとの観測が優勢となっているのが現状です。また、ユーロ圏でのインフレの落ち着きを背景にラガルドECB総裁は連続的な利下げを示唆しているほか、ドイツやフランスでの政治的不透明感も燻っています。さらに、オーストラリアでは個人消費の弱含みから今後の景気減速への懸念が指摘されるほか、トランプ次期政権の対中強硬姿勢による中国経済への影響が豪経済の下押しにつながる可能性も警戒されています。そのため、IMM投機筋のポジションはこうした状況を反映していると思われ、1月20日のトランプ大統領就任式に向けてドル一強が続くことも想定されます。
米12月雇用統計
※出所:SBIリクイディティ・マーケット
1月10日に米12月雇用統計が発表されます。結果次第ではドル一強に弾みが付く可能性があります。
前回2017年のトランプ大統領就任式の前にポジション調整が発生し、ドル円は118円台から112円台へ下落した経緯がありますが、現状ではシカゴIMM投機筋の円ポジションは僅か8,443枚の売り越しに留まっており、円売り余地は大きいと思われるだけに節目とされる160円を上回る円安が進行するかもしれません。昨年7月は円安主導の円安だったのに対し、現状はドル一強のドル高・円安となっています。さらにトランプ次期大統領就任式を控え、本邦通貨当局の円買い介入も難しいと見られているだけにドル一強が加速することも想定されそうです。
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