米6月雇用統計
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
米6月雇用統計では非農業部門就業者数が20.6万人増と市場予想を上回ったものの、5月が速報値から5.4万人、4月が改定値から5.7万人と合わせて11.1万人下方修正されました。さらに、政府系就業者数を除く民間就業者数は13.6万人増となり、月平均で見ると、4-6月期は14.6万人増と1-3月期の20.3万人増に比べ鈍化しました。
また、失業率も労働参加率が62.6%と5月(62.5%)から上昇したことも影響し、2021年11月以来の4.1%に上昇しました。さらに、時間給賃金は前月比+0.3%、前年比+3.9%と市場予想に沿った結果となりましたが、いずれも前月から鈍化するなど総合的に見ても労働市場の逼迫緩和が示される結果となりました。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
9月利下げ開始の行方を占う6月消費者物価指数(CPI)
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
5月のCPIは総合/コア指数ともに4月から前年比で鈍化したほか、総合指数が前月比±0.0%と22ヵ月ぶりに横這いとなり、コア指数も前月比+0.2%と昨年10月以来の低い伸びとなりました。内訳をみると、エネルギーとガソリンが上昇した一方、食品、外食は鈍化し、また、エネルギーを除くサービス価格は前年比+5.3%と4月から横這いとなりました。さらに、物価指数のおよそ3割を占める住居費は前年比+5.4%と4月(+5.5%)から2ヵ月連続で鈍化しましたが、ただ、住居費を除くサービス価格は前年比+5.0%と4月(+4.9%)から5ヵ月連続で上昇しました。こうした前月の結果を踏まえて、今回6月のCPIでは以下の点が注目ポイントとなります。
・住居費の鈍化が一段と進むか?
・医療サービスや輸送サービスなど住居費を除くサービス価格が鈍化するか?
先週3日に公表された6月FOMC議事要旨
・インフレは高止まっているが、2%の物価目標に向けて緩やかな進展が見られた
・各種労働統計は、労働市場の逼迫緩和を示唆している
・利下げ正当化の確信を得るため、追加の情報を待ちたい
などの意見が複数の委員から示されたほか、2日のECBフォーラムでパウエル議長は「物価はディスインフレ傾向の再開を示すようになった」「予想以上に労働市場が軟化すれば行動(利下げ)のきっかけになる」などと述べています。
ドル円の行方を左右する日米金融政策会合
こうした点を踏まえ、CPIが市場予想を大幅に下回らない限り、 7月30-31日の次回FOMCでは、「8月、9月に発表される7月/8月の雇用統計やCPIの結果を見極める必要がある」として6月の決定を踏襲すると思われます。また、「8月22-24日にカンザスシティー連銀が主催する年次経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)においてパウエル議長が9月利下げ開始を示唆する発言を行った上で、9月17‐18日のFOMCで利下げに踏切るのではないか」という見方が現実味を増しており、そうした観点からもCPIの結果と反応が注目されます。
また、7月30‐31日には日銀金融政策決定会合も予定されおり、債券買入れ額を3兆円規模減額するか、さらには追加利上げを行うか、その決定が注目されますが、7月1日に内閣府は1-3月期GDPを前期比‐0.7%、前期比年率-2.9%と6月の改定値から下方修正したほか、総務省が5日に発表した5月実質消費支出が前年比-1.8%と予想外に減少しており、追加利上げを見送る可能性も踏まえ、日米金利差は容易に縮小し難いとの見方が高まることも想定され、ドル円は160円割れへ下落しても案外底堅い値動きを続けるかもしれません。
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