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2024-12-12 10:03:49

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金融政策の行方のみならず今後の各国政局にも注目

2024/6/18
提供:SBIリクイディティ・マーケット社

先週末14日の日銀金融政策決定会合では、国債買い入れを減額する方針を決定するに留め、次回会合(7月30-31日)で今後1〜2年程度の具体的な減額計画を決定するとしたことを受け、ドル円は4月29日以来の158円19銭に急伸しました。しかし、その後の会見で植田総裁が「国債買い入れ減額は相応な規模になる」「円安は物価上振れの要因であり注視」「今後入手するデータ次第で7月の利上げもあり得る」などと述べたことに円買い戻しで反応し、156円89銭へ反落する場面が見られました。
同日23時発表のミシガン大6月消費者態度指数が昨年11月以来の65.6と3ヵ月連続で低下したことから米景気減速への思惑とともに米10年債利回りは一時4月1日以来の4.18%台へ低下し4日連続の低下となる4.22%で先週末の取引を終えました。しかし、一方でミシガン大期待インフレ率は1年先が前月から横這いに留まり5年先が上昇したこともあり、日米の金利格差が急速に縮小する可能性は低いとして、ドル円は157円49銭へ反発し157円41銭で先週末の取引を終えました。

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  • ※出所:SBIリクイディティ・マーケット

フランス議会選挙

ユーロドルは、今月末30日に行われるフランス総選挙を前に、政局不透明感を懸念してドイツとフランスの10年国債の利回り格差は82Pts台と2017年2月以来の水準まで急拡大するなどフランス国債/株式の下落とともに売られ、5月1日以来の1.0668ドルへ下落し1.0702ドルで先週末の取引を終えました。また、ポンドのセンチメントを最も反映するユーロポンドは、2022年8月17日以来の0.8397ポンドへポンド高が進んだものの、6月7日に0.8500ポンドを突破してから1週間で0.84ポンド割れまでユーロ売りが加速した反動で調整のポンド売り、ユーロ買いが進んだため、ポンドドルも一時5月17日以来の1.2657ドルへ続落し1.2686ドルで取引を終え、ポンドドルの下落幅はユーロドルより大きくなりました。

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  • ※出所:SBIリクイディティ・マーケット

6月6日から9日にかけて行われた欧州議会選挙では、現状のEUの環境政策や移民の対応などに批判的な声が高まり、フランス、ドイツを中心に「EU懐疑主義」勢力が台頭した一方、EUがもたらす統合の意義を評価する声も依然強く、こうした穏健な政策路線の継続を望む中道勢力を支持する声もあり、分断化が進んだとされます。
ただ、中道主要3会派(欧州人民党/社会民主進歩同盟/欧州刷新)は合わせて全720議席の過半数を上回る400議席超を確保しています。

こうした中、フランス議会選挙ではマクロン大統領の支持基盤であるアンサンブルの中道勢力に対し、中道右派の共和党(LR)党首が国民連合(RN)と協力すると表明。さらに、中道左派の社会党(PS)も左派連合を組むとして反国民連合(RN)の立場で
アンサンブルと協力することにはならないとして、マクロン大統領は2027年まで任期のある議会下院(国民会議)を解散すると表明しました。

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  • ※出所:SBIリクイディティ・マーケット

下院選挙は小選挙区制で第1回投票が6月30日に行われ、有効投票の内、過半数かつ有権者の25%の得票を獲得する候補者がいなければ、7月7日に2回目の投票が実施されることになっています。下院選挙でRNが勝利すれば、マクロン大統領率いるRE(再生)出身のアタル首相は辞任し、首相の座をRNに渡さざるを得なくなる可能性が高く、RNでは首相候補としてバルデラ氏が有力視されているほか、ルペン氏は次の大統領選挙を目指すと見られており、実現すれば首相とマクロン大統領が異なる政党に属することとなるため、フランスの政局を巡る先行き不透明感の高まりとともにさらなるユーロ売りにつながるかもしれません。
2017年と2022年の2回にわたりマクロン氏はRNのリーダーであるルペン氏と大統領選を戦い、この2人による決戦投票でマクロン氏が勝利を収めている成功体験があるため勝算があると踏んで賭けに出たと考えられます。しかし、欧州議会選では、右派/極右勢力が政権与党を揺さぶる支持を獲得しているだけにフランス総選挙の行方が注目されます。

英議会選挙

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  • ※出所:SBIリクイディティ・マーケット

英国でも7月4日に総選挙が実施されます。2019年7月に就任したジョンソン首相による数々のスキャンダルや短命に終わったトラス政権の財政計画を巡る混乱の影響が残り、保守党の支持率はトラス政権時の22年9月時点の19%からスナク政権となって以降も30%台を回復できず、5月時点では18%に留まっています。一方、野党労働党への支持率は22年9月の56%から低下したとはいえ、5月時点で44%あり、5月2日に107の自治体で行われた地方議会選では保守党が改選前から474議席減らしたのに対し、労働党は186議席増、自由民主党も105議席増となるなど保守党の支持率低下を反映する結果となりました。そのため、今回の総選挙では2010年5月(ブラウン首相)以来14年ぶりに労働党政権が復活すると見込まれています。

しかし、フランスのような政局不透明感はなく、むしろ英経済にプラスに働くとの期待もあるため、ポンドはユーロのような大幅な下落にはならないと見られています。ただ、15年ぶりの政権交代への期待感がポンドの下値支援につながっているとは言え、期待先行によるポンド買いが調整される可能性に注意が必要です。

そのほか、11月には米大統領選を控えており、米国内だけではなく全世界にも影響を及ぼすことからその結果も注目されます。また、日本では今週末に国会が会期末を迎えますが、7月の東京都知事選の結果と影響も踏まえ、9月の自民党総裁選前の解散があるのか、政治情勢が賑やかになります。日米欧英ともに政治情勢が金融政策に影響を及ぼす可能性もあることから、政治イベントが一段落するまでは神経質な値動きが続くことになりそうです。

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