米12月雇用統計予想中央値

- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
本日5日発表の米12月雇用統計では、就業者数の伸びが11月から小幅ながら鈍化(19.9万人⇒17.1万人)すると見込まれるほか、失業率も11月から悪化(3.7%⇒3.8%)すると予想されています。加えて、時間給賃金も前月比、前年比いずれも11月から鈍化すると予想されています。

- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
1月3日に発表された11月JOLT求人件数は、8月(949.7万件)を直近のピークに3ヵ月連続で低下するとともに、2021年3月以来の低い伸びに留まるなど労働市場の逼迫が緩和していることを示しています。また、12月21日発表の12月フィラデルフィア連銀製造業雇用指数は3ヵ月ぶりにマイナスに転じましたが、昨日発表された12月ISM製造業雇用指数も48.1と11月(45.8)から改善したものの好不調の節目とされる50.0を3ヵ月連続で下回っており、12月雇用統計は下振れへの警戒感が強いかもしれません。それだけに、市場予想を上回った場合には、ポジティブサプライズとしてドル買いで反応すると予想されます。
12月FOMC議事要旨について
1月3日に公表された12月12-13日のFOMC議事要旨では、ほぼ全員の当局者が年内の金融緩和への方針転換を織り込みつつ、慎重な姿勢を保っていたことが浮き彫りとなりました。
複数の委員が「政策金利を現在想定されているより長く据え置くことを余儀なくされる可能性がある」と指摘するとともに「12月会合の声明に(将来の金融引き締めについて)『いかなる(any)』という文言を加えたことで、必要に応じて追加利上げする可能性を残している」として、「追加利上げの可能性」を排除せず慎重に行動する必要性が強調されました。一方で、過度に引き締め的なスタンスを続けることに伴う景気下振れリスクを指摘する見解もあり、市場では、FRB利下げのタイミングを探ることが焦点となっているだけに、予想以上に失業率が急速に悪化する結果となれば早期利下げを見込み、米長期金利の低下とともにドル売りで反応すると見られます。
震災の影響
1月1日の16時過ぎに発生した能登半島地震の被害が徐々に明らかとなり、その規模が拡大する中、為替市場では日銀が早期に金融緩和策を解除することは困難との見方が広まったことなども材料視され、昨日の海外市場でドル円は20日(143円02銭)/200日移動平均線(143円19銭)を上抜け、一時12月20日以来の143円73銭まで上昇。昨年末のNY市場終値(141円03銭)と比べ短期間に2円70銭ほど円安が進行しました。
今後揺れが収束し、北陸地方の経済及び市民生活が落ち着きを取り戻し、1日も早い復興を願うばかりですが、日銀の金融政策正常化が4月以降、中小企業への賃上げ波及状況などを確認する段階で震災の影響が軽微に留まっていれば日銀の金融政策への影響はないと思われ、日米の金融政策の行方が焦点になっていくものと考えられます。
米雇用統計を受けて
米12月雇用統計が予想の範囲内から大きな振れもなく留まれば、ドル円は日足・転換線(141円99銭)を下値支持線とする一方、基準線(144円38銭)を上値抵抗線として概ね2円50銭程度の値幅に留まると思われます。但し、予想以上の結果となった場合には基準線を回復すると見込まれる一方、予想を大幅に下回った場合、転換線を下抜け、昨年12月28日の安値(140円25銭)を目指す下落も想定されます。

- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
一方、ユーロドルは年初1月2日に11月29日の高値(1.1017ドル)を下抜け、さらに1月3日には日足・基準線(1.0931ドル)を下抜け、この水準が上値抵抗線として意識されています。
そのため、米雇用統計が予想以上に悪化し、FRBの早期利下げ観測が高まった場合、基準線を回復しこの水準を下値支持線として1.1017ドルへ反発出来るか上値メドとして注目されます。一方、予想以上に強含んだ場合には日足・雲の上限(1.0844ドル)を目指して一段と下落する可能性に注意が必要です。

- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
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