先週末17日の欧州市場で米10年債利回りが9月20日以来の4.37%台へ低下したことを受けてドル円は149円20銭まで急落。その後、10年債利回りが4.46%台へ上昇したものの、FRBの金融引き締めサイクル停止観測に加え、23日の米感謝祭を控えたポジション調整の円買いが上値抑制につながり、150円台を回復できないまま149円65銭で取引を終えました。
米感謝祭を前にした調整が今後も進むのか、昨年10月21日におよそ32年ぶりの円安水準となる151円95銭まで上昇したドル円は、1月16日には127円22銭まで下落。
今年も11月13日に151円91銭まで上昇したものの、昨年10月の高値(151円95銭)を手前に伸び悩み、先週末は149円20銭まで下落したことから、昨年同様、年末/年始に向けて一段と円高が進むのか、昨年同時期の値動きを材料とともに振り返ります。
昨年10月以降の動きを振り返ると
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
昨年10月21日におよそ32年ぶりの円安水準となる151円95銭まで上昇後・・・
1) 米10月消費者物価指数が総合・コア指数とともに市場予想を下回り、10年債利回りが3.80%台へと約1ヵ月ぶりの水準へ低下。金利低下を好感し、NYダウは1,201.43ドル高(+3.70%)、ナスダックも760.97Pts高(+7.35%)とリスク選好のドル売りとともにドルが全面安。⇒140円19銭
2) 11月14日にブレイナードFRB副議長が金融引き締めペースの鈍化に前向きな認識を示したほか、米10月卸売物価指数が総合・コアともに市場予想を下回り、10年債利回りが3.75%台へ低下。⇒137円68銭
3) 11月17日、18日にセントルイス連銀、ボストン連銀総裁のタカ派発言を受けて10年債利回りが3.83%台へ上昇。さらに中国での感染拡大を背景に対人民元でのドル買いにサポートされ反発。⇒142円25銭
4) 12月日銀金融政策決定会合でYCCの変動幅を±0.25%から±0.50%へ拡大したほか、国債買い入れ額の大幅増額を決定。クロス円を含めて円が全面高。⇒130円58銭
5) 米12月消費者物価指数が市場予想を下回ったこと、フィラデルフィア連銀総裁やセントルイス連銀総裁のハト派発言があったことに加え1月17‐18日の日銀金融政策決定会合でYCCの変動幅をさらに拡大するとの観測報道から円高が進行。⇒128円87銭 さらに1月16日に⇒127円22銭
年末年始に向けて・・
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
昨年は、複数のFRB高官から引き締めペースの鈍化を示唆する発言があったことに加え、日銀のYCC修正を受けた日米金利差縮小の思惑が円売りポジションの調整を誘い、さらにストップロスを巻き込み円買いが進み、ドル円は下落基調を辿りました。
そして今年は11月3日に発表された米10月雇用統計、14‐15日発表の米消費者物価指数や卸売物価指数の下振れにも150円割れを回避したものの、先週末に円売りポジションの調整が進み一時149円20銭まで円高が進行しました。
昨年同様、今年も12月12‐13日のFOMCおよび12月18‐19日の日銀金融政策決定会合に向けて日米金利差縮小の思惑が一段と高まることになれば、円売りポジションの調整がさらに進み、年末年始に向けて円高が加速した流れを踏襲する可能性もあるかもしれません。そのため、日足・雲の上限(現状:148円51銭)を下回れば、雲の下限(現状:145円84銭)を目指す可能性もあり、感謝祭明け以降の米11月ISM製造業景気指数に続く米11月雇用統計や同消費者物価指数、さらに11月24日に発表される10月消費者物価指数をはじめ日本のインフレ指標のほか、日米要人からの発言も注目されます。
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