上海株は3,000Pts割れ
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
先週末20日の上海株は、1)19日にパウエルFRB議長が一段の利上げの可能性について言及したことを受け、米長期金利が上昇したこと 2)中国経済の減速懸念が根強いことさらに3)中国人民銀行が、事実上の政策金利となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を、5年物(4.20%、4か月連続)、1年物(3.45%、2か月連続)共に据え置いたことに対する失望売りを招いたことなどを背景に3日続落、昨年11月以来となる節目の3,000Ptsを下回って取引を終えました。
LPRを据え置いた失望売りが今週も続くことになるか、週間ベースで3.4%下落した反動で今週持ち直し3,000Ptsを回復するか、今週は27日に発表される9月鉱工業利益(市場予想:前年比‐9.0%、8月:-11.7%)以外に中国の経済指標は予定されていないことから、上海株の行く末を占う上でNY株式市場の動向が注目されます。
米9月個人消費支出コアデフレーター
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
来週10月31日-11月1日のFOMCを前に26日に発表される米7‐9月期GDPや27日発表の米9月個人消費支出(PCE)コアデフレーターに対する債券市場の反応に加えて、先週下落したNYダウ(週間で1.61%安)、ナスダック(3.16%安)の行方も注目されます。
市場予想は前年比+3.7%と8月(前年比+3.9%)から2ヵ月連続で鈍化すると見込まれており来週のFOMCで政策金利を据え置くとの見方が大勢となり、今年最後となる12月12‐13日のFOMCでも据え置きとの観測もある中、金融引き締めサイクル停止観測が一段と高まるか注目されます。
中東情勢の緊迫化
22日にオースティン米国防長官は中東地域に駐留する米軍への攻撃がエスカレートする可能性に懸念を表明。弾道ミサイル防衛システムや複数の地対空ミサイル「パトリオット」を中東地域に配備したと明らかにしたことに加え、政府がイラク駐在の職員・家族に退避命令を発するなど中東情勢の更なる緊迫化が米国株の調整色を一段と強めることになれば、上海株のみなならず、世界中の株式市場に大幅な下落をもたらすことになるかもしれません。
ECB理事会
ユーロは先週19日のパウエル議長の発言を受けて一時1.0616ドルまで上昇しましたが、1.06ドル台を維持できないまま1.0594ドルで先週末の取引を終えました。9月14日のECB理事会で0.25%の利上げを決めたものの、12日に公表された議事録では保険的な意味合いでの決定だったことが確認されています。また、13日にラガルドECB総裁が「必要に応じて追加措置の用意がある」との考えを明らかにしたとはいえ、追加利上げの緊急的な必要性に乏しいことから現状維持が見込まれます。もっとも、中東情勢の緊迫化を背景にインフレの高止まりに警戒するとして利上げ停止への言及は避けると見込まれます。
来週のFOMCを控えて米7‐9月期GDPや米9月PCEコアデフレーターが市場予想を大幅に下回るなどドルにとってのネガティブな材料がない限り、19日の1.0616ドル、12日の1.0640ドルを上抜ける可能性は低いと思われます。一方、ECB理事会が予想以上にハト派的内容にならない限り、13日の安値(1.0496ドル)を下回る可能性も限られ、ユーロは1.05ドル台前半から後半での小幅な値動きを続けると予想されます。
トルコ中銀政策委員会
26日にトルコ中銀政策委員会が開かれ、現状30.0%の政策金利を32.5%へ引き上げると予想されています。一方、10月3日に発表された9月消費者物価指数(CPI)は原油価格上昇の影響もあり、前年比61.53%と昨年12月(+64.27%)以来の高水準へ3ヶ月連続で上昇していることから、市場予想(2.5%の利上げ)を上回る利上げもあるかもしれません。
しかし、政策金利が一段と上昇すれば、トルコ経済への悪影響が懸念されるほか、先週末20日に発表された政府債務も6兆966億リラに達し、昨年9月の3兆6750億リラから約65%増と拡大の一途を辿っています。2020年のコロナ禍からの回復に向けて政府支出が増加する過程で、財政規律が緩み、財政赤字、政府債務残高はともに増加傾向が続いており、こうした状況がトルコリラの下落圧力を高める要因になりかねないことから注意が必要です。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
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