日経平均株価は一時的な調整局面?
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
6 月末/四半期末に向けた機関投資家によるポジション調整に加え、年金や共済などによるポートフォリオのリバランスのほか、7 月初旬に予定されるETF配当金の資金捻出売りも想定され、日経平均株価は先週後半に800円近く下落。需給面から売り圧力がかかり易い状況が続き、週明け26日の取引開始直後には388円82銭安の32,392円72銭へ下げ幅を拡大する場面が見られたものの下げ止まり、前場は反発して取引を終えています。
日経平均株価は5月8日の28,931円81銭を下値に6月7日には32,708円53銭まで上昇したものの、その日に593円04銭安で取引を終えた流れを受けて6月8日には31,420円45銭まで下落。その後、外国人投資家の買いにサポートされ先週19日には1990年以来33年ぶりの高値を連日で更新し、33,772円89銭まで上昇。しかし、先週末26日には32,575円56銭まで下げるなど調整を強めています。7月初旬以降はこうした需給面での売り圧力も解消に向かうと思われるだけに、一時的な調整で終えることになれば円売り圧力が一段と高まる一因になると思われます。
6月8日の安値(31,420円45銭)と6月19日の高値(33,772円89銭)までの上昇に対する50.0%押しの水準が32,596円67銭、さらに上昇分の61.8%押しに当たるフィボナッチ61.8%水準が32,319円08銭となります。これらの水準が下値支持の水準として意識され下げ止まり大幅な調整を回避することができれば、クロス円の上昇基調を支えるとともに、ドル円の堅調地合いを支援することになると思われます。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
円安牽制発言を行ったものの・・・
昨日、午前8時前に神田財務官から、先週末にドル円が143円87銭まで進んだ直近の円安進行について「足もとは急速で一方的だとみられる。行き過ぎた動きには適切に対応したい」と円安を牽制する発言を行ったものの、143円24銭までの小幅な反落に留まっています。牽制発言は5月30日以来となりますが、その際は140円93銭を高値に2日後の6月1日の138円45銭へ下落したものの、米1−3月期単位労働コストや5月ISM製造業景気指数の価格指数が予想を下回ったことを受けたインフレ圧力の低下を受けた反応だったことからも円安牽制発言による円安抑止への効果は一時的だったと見られます。
ECBフォーラム(26日〜28日)の主要各国中銀総裁の発言に注目
昨日26日から28日にかけて、ECBフォーラムが世界遺産の街、ポルトガルのシントラで開催されます。過去のECBフォーラムでは2017年6月に今回と同じシントラで、当時のドラギECB総裁がインフレに楽観的な見方を示したことをきっかけに、 ユーロが大きく上昇するきっかけとなったこともありました。それだけに、今月14日から22日にかけて主要各国中銀政策委員会でインフレ抑制に強い意欲を示した直後の開催であることから、著名エコノミストも集う中、27日のラガルドECB総裁、28日のパウエルFRB議長、ラガルドECB総裁(2回目)、植田日銀総裁、英中銀ベイリー総裁の発言が注目されます。
昨日26日、午前9時前に公表された今月15-16日の金融政策決定会合での「主な意見」では、イールドカーブ・コントロール(YCC)について市場との対話の円滑化などを踏まえると、「コストが大きい。早い段階で、その扱いの見直しを検討すべきである」との意見が確認されました。そのため、日銀が新たな経済・物価見通しを示す次回の7月27‐28日の政策決定会合で、YCCの見直しなど金融緩和の修正に動くとの観測も燻る中、植田日銀総裁の発言が注目されます。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
ドル円は、心理的節目とされる145円00銭が意識される水準にある中、フォーラムで植田日銀総裁がYCC修正の可能性に言及することなく、あらためてハト派的な姿勢を強く印象付ける発言に留まる一方で、各国中銀が金融引き締め姿勢を示すことになれば145円00銭を試すきっかけになるかもしれません。そうした局面で、ECBフォーラムが開催されている最中に円買い介入を実施するか、本邦通貨当局の反応が注目されます。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
・1月16日の安値(127円22銭)と3月24日の安値(129円64銭)を結んだライン①
・3月8日高値(137円91銭)を起点にライン①と平行に引いたライン②
ドル円はライン②を下値支持線として145円00銭を目指して一段高となるか、ライン②、さらに週足・雲の上限(139円62銭)を下抜けるか、下値メドして注目されます。
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