3月7-8日の議会証言でパウエルFRB議長は急速に織 り込みが進んだ 3 月 FOMC での 0.50% 引き上げ観測に対し、「何も決まっていない」と若干の軌道修正されたものの、労働需給の逼迫がインフレ高進の一因とした上で、イン フレは鈍化しつつあるとの見通しは撤回こそしなかったものの、住宅を除くコアサービスではディスインフレの兆候がほとんど見られないと指摘。インフレ抑制に失敗すれば、そのコストは抑制するコストを上回るものになるとの考えから、物価押し下げに注力する姿勢をあらためて表明。
こうした中、10日に発表された米2月雇用統計では時間給賃金が前月比+0.2%と12月(+0.4%)、1月(+0.3%)から鈍化したことに加え、総労働時間を加味した週間の労働賃金も(12月:1,132.45ドル⇒1月:1,142.15ドル⇒2月:1,141.61ドル)も1月から僅かながら減少するなど賃金インフレの鈍化基調を確認。さらに、14日に発表された米2月消費者物価指数ではサービス価格のインフレが高止まりしていることが明らかになりました。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
こうしたインフレ高進とFRBによる金融引き締め継続の懸念とともに、2年債/10年債利回りの逆イールドの深化が信用不安および株安につながる中、シリコンバレー・バンク・ファイナンシャルが先週末に連邦破産法11条の適用を申請したほか、ファースト・リパブリック・バンクも第三者割当増資を計画するなど、米中堅銀行の経営破綻/不安が台頭したことに続き、欧州でのクレディ・スイス銀行の業績不振へ飛び火。こうした状況下、
1)先週末17日にシリコンバレー・バンク・ファイナンシャルが先週末に連邦破産法11条の適用を申請したほか、ファースト・リパブリック・バンクも第三者割当増資を計画
2)UBSがクレディ・スイス銀行を30億スイスフランで買収することで合意し、スイス中銀がUBSに最大1,000億スイスフラン(約14.2兆円)の流動性支援を行う意向を表明。
一方、先週16日のECB理事会では政策金利を0.50%引き上げ、3.50%とすることを決定。
1)声明でもインフレは、長期に渡り高水準に留まる見込みであるとしたこと
2)欧州ではコアインフレ率が高止まりし、賃金上昇率も徐々に上昇していること
3)当初の予想通りの利上げが信用不安を抑制するとの思惑
4)ECBがインフレ抑制を最優先にするとの考えが明確に示されたこと
21‐22日のFOMCを巡っては、パウエルFRB議長による7‐8日の議会証言を受けて0.50%の利上げ確率が確実視される状況にあったものの、複数の米中堅銀行の経営不安を受け、0.50%の利上げ確率が徐々に後退するとともに、0.25%の利上げ確率が上昇。さらに先週末17日発表のミシガン大が発表した3月の1年先/5年先期待インフレ率が2月から低下したことも加わり、週明け20日時点では0.25%の利上げ確率は70%程度となっています。
FOMCの注目点
FOMCの決定前までに、金融システム不安が一段と後退し、過度なリスクが再燃しないことを前提に
1) 来週0.25%の利上げを決定(予想)して以降、5月2‐3日、6月13‐14日、7月25-26日に向けたインフレ/景気見通しが昨年12月時点から変更されるか
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
2) ドットチャート(FOMCメンバーの予想する年末の政策金利見通し)中央値に12月時点から変更があるか、12月時点から下方修正され年内利下げの可能性が示されるか
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
仮に想定以上にタカ派色の強い内容となった場合でも昨年秋までの、積極的な利上げがドル全面高につながっていた流れとは様相が異なってきていることには注意が必要ですが、ドル円は日足・雲の上限(132円70銭)を下値支持線として日足・基準線(134円57銭)や転換線(134円73銭)を上抜け、先週15日の高値(135円11銭)を回復し、200日移動平均線(137円46銭)、さらには8日の高値(137円91銭)を目指して一段高となるか上値メドとして注目されます。一方、予想以上に慎重な見方を示した場合、日足・雲の下限(130円28銭)や2月10日の安値(129円80銭)を目指す可能性もあるかもしれません。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
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