先週末のまとめ
先週末10日の欧州市場序盤に、次期日銀正副総裁について1998年-2005年の審議委員時代にゼロ金利政策や量的緩和策の導入を理論的支柱として支えた経済学者の植田氏、副総裁に内田現審議委員と財務省畑の氷見野前金融庁長官を起用と報道。植田氏は71歳という年齢もあって総裁候補として掲げたメディアは存在せず、ハト派の雨宮副総裁の昇格が本命とみていた市場参加者が、円売りポジションの解消に動いたことを背景に、報道直前の131円55銭から129円80銭へ急落したほか、クロス円も下落する円全面高の反応となりました。市場からは、財政規律を重んじる植田氏が「タカ派寄り」との思惑が働いたものの、18時前に自宅前で記者からの取材に応じた植田氏が、現状での金融緩和継続の必要性に言及したほか、米2月ミシガン大消費者信頼感指数や1年先期待インフレ率の上昇とともに、ドル円は131円60銭まで反発。
一方、クロス円はドルが1月の雇用統計が市場予想を大幅に上回ったカナダ(就業者数:前月比+15.0万人増、市場予想:1.5万人増、失業率:5.0%、市場予想:5.1%)を除く対主要通貨で全面高となったことから反発も一時的に留まり、上値の重い値動きとなりました。そのほか、ユーロは、クロアチア中銀総裁から、ユーロ圏のコアインフレ率の高さを理由に、3月以降も利上げ継続の必要性を指摘したものの、金利選好のユーロ買いの動きも限られました。一方、米10年債利回りは、1月6日以来の3.75%台、2年債利回りも昨年11月30日以来の4.53%台へ上昇したことから、欧米の金利格差縮小観測を背景に構築されたユーロ買いポジションの調整売りに押されユーロドルは1月9日以来の安値となる1.0666ドルまで下落し、1.0700ドルを回復出来ないまま先週末の取引を終えました。
今週の注目点
日銀正副総裁人事案が公表されたことから、市場では来週24 日に予定される国会での正副総裁候補による所信聴取での発言を待つことになると見込まれます。日銀の金融政策に関し、1)政府・日銀の「共同声明」見直しの有無 2)リフレ政策からの転換の是非 3)国債市場の正常化進展の行方などを中心に、金融政策の方針のたたき台をどのようなものにしていくのか、これらに関しては、4月の新体制発足以降の焦点になると思われます。
それだけに、目先イールド・カーブ・コントロールをはじめとする現行政策には修正が加わるとの見方も根強いことから、国内債券市場での10年債利回りは「上限」の 0.5%付近で推移すると見込まれることが、ドル円の上値抑制につながるか、さらに市場の注目は14日の米1月消費者物価指数、15日に米1月小売売上高や16日の米1月卸売物価指数および2月ISM製造業景気指数の先行指標の一つとして注目される2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数などの指標に対する米債券市場の反応が注目されます。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
また、12月のISM非製造業景気指数は49.2と11月(56.5)から大幅に低下し、2020年4月(41.8)以来の低水準となりましたが、1月には55.2へ急速に回復しました。過去のデータを見ると、ISM非製造業景況指数を12ヵ月先行表示された数値と、消費者物価指数のサービス価格(除く エネルギー)を比較すると、非製造業における企業センチメントの悪化がいずれ、先々の賃金の低下に波及することで、サービス価格にも影響を及ぼす傾向が確認されます。そのため、モノのインフレが落ち着きを見せる中、未だ十分な沈静化が確認されていないサービス価格の動向を占う上で足もとのISM非製造業景気指数がサービス価格の動向をみる上で注目されています。
12月ISM非製造業景気指数の急速な悪化が一時的なのか、あるいは1月ISM非製造業景気指数の急速な改善が一時的なのか、見極める必要がありそうです。こうした中、仮に1月消費者物価指数が前月から鈍化した場合でも、サービス価格(除く エネルギー)が大きく低下することがなければドル円の支援材料となると思われるだけに注目されます。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
米1月消費者物価指数をはじめとする指標を受けて2月6日の高値(132円90銭)を上抜け日足・雲の下限(132円98銭)を回復することができるか?一方、日足・転換線(130円49銭)や基準線(130円06銭)を下回り、2月2日の安値(128円09銭)を目指して下落するか?
それぞれ上値/下値メドとして注目されます。さらに、ユーロドルは日足・雲の上限(1.0610ドル)を目指して一段と下落するか、あるいは1.0800ドルの回復を目指して反発のきっかけとなるか合わせて注目されます。
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