ドイツ・ショルツ政権の変革
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻により、エネルギーや小麦など世界各国で物価が上昇する中、日本も例外でなくなったことで、あらためて主要各国に比べ、賃金上昇率の低さがクローズアップされ、見直しの機運が高まりつつあり、遅きに失した感のある少子化対策が急務であるとの認識を示すなど危機感が台頭。あらためて、日本の潜在成長力の低下や財政懸念など、凋落の著しい日本経済の立て直しが急務となり、これまで日本の目指す国家戦略が明確に打ち出されることのないままやり過ごしてきた「失われた数十年」からラストチャンスとして注目されるのがAI半導体からEVシフトと支えるパワー半導体、さらに3D半導体の技術革新を通じてネット社会の構築に活路を見出せるか焦点となっています。
ドイツもガスパイプラインによる安価がエネルギー供給に支えられ、ロシアとの経済的結びつきを一定の距離で保ちつつ、NATOによる米国に支援される安全保障の下、自動車・関連部品を中心に中国向け輸出を増やすなど、バランスを保ちつつ成長を続けて来ました。
しかし、ポーランドを挟んだ隣国ウクライナに対するロシアの侵攻により、安定を約束されていたエネルギー供給に不透明感が台頭したことで、経済の脆弱さを露呈。昨年9月下旬には、英前トラス政権の大型減税案によるポンドの急落とともに一時0.9535ドルまで下落。
緑の党、自由民主党との連立政権となった社会民主党のショルツ政権は決断力やリーダーシップに難あるとされていたにもかかわらず、特に大きく問題視されることはなかったものの、ロシアの軍事侵攻により、変化を求められた一人かもしれません。
ウクライナのゼレンスキー大統領が早い段階から西側への軍事支援を求める中、ドイツは当初からヘルメットの供与などに留めるなど、エネルギー供給に頼るロシアへの配慮を優先させたことから、欧州各国からも軍事侵攻の悪者として、ロシア寄り姿勢を続けるハンガリーに続き、ドイツも批難の矛先となっていました。
そんなショルツ政権が重い腰を上げ、ドイツ製戦車「レオパルト2」のウクライナへの供与を決断したことは大きな転換を意味することになるかもしれません。ショルツ首相は「時代の転換点にある」との認識を明らかにし、欧州地域の安全保障体制に責任を持つとして、ロシアとの決別を明言。さらに、輸出に頼ってきたロシア寄りの中国とも距離を置く姿勢を示すなど「事なかれ主義」に徹した全方位外交から強権国家に対抗する明確な姿勢を示すとともに明らかに変わろうとしています。
米欧英各国中銀政策委員会
今週2月1日に0.25%の利上げが見込まれるFOMCの政策決定が示され、声明やパウエル議長の会見の中で3月以降の金融引き締め政策の早期停止に言及するか注目されます。
一方、2日のECB理事会及び英中銀政策委員会ではいずれも0.50%の利上げのほか、3月も0.50%の利上げ継続の必要性への言及が見込まれています。FRBの0.25%の利上げに対し、ECBや英中銀の0.50%の利上げのほか、3月以降も欧英と米との金利差縮小の思惑が対ドルでのユーロやポンドの上昇をサポートするか注目されます。1月18日に公表された地区連銀経済報告(ベージュブック)では、景気判断の引き下げやインフレの鈍化が示されたほか、先週24日に発表されたフランス製造業、ドイツおよびユーロ圏サービス業など、1月PMIが好不況の節目とされる50を上回るなど、欧州経済の過度な下振れリスクが後退。一方、米1月製造業/サービス業PMIは市場予想を上回ったものの、製造業が3ヵ月連続、サービス業は7ヵ月連続で50を下回るなど、米国と比べても欧州経済が予想以上に堅調との見方がユーロの上昇を支援。さらに、ドイツや米国がウクライナ向けに自国製戦車の供与を決めたことから、ウクライナ情勢のゲームチェンジャーになるとの期待とともに、26日には昨年 4月21日以来の高値となる1.0929ドルまで上昇。その後も1.0838ドルを下値に堅調な値動きを継続しています。
昨年2月の軍事侵攻時の高値(1.1308ドル)を回復できるか?
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
欧の金融政策委員会を経て、ユーロは2021年5月25日の高値(1.2266ドル)と昨年9月28日の安値(0.9535ドル)の50%水準(1.0900ドル)、さらには週足・雲の上限(1.0930ドル)を下値支持線として、1)フィボナッチ38.2%水準に当たる1.1223ドルおよび200週移動平均線(1.1225ドル) 2)昨年2月24日のロシア軍事侵攻時の高値(1.1308ドル) 3)軍事侵攻直前の2月10日の高値(1.1494ドル)を目指して一段高となるか注目されます。
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