9月2日の米8月雇用統計の注目点
先週26日、ジャクソンホールにおける金融フォーラムでのパウエル議長の講演では、
1)FRBの包括的な目標はインフレを2%に戻すことであり、粘り強くインフレ抑制に取り組み続ける意向
2)インフレ抑制策継続は、家計や企業に痛みをもたらす可能性があるものの、今後も引締策を進める意向
3)インフレ抑制策継続により労働市場が弱まる懸念もあるが、大幅利上げが適切になる可能性に言及
4)物価安定を回復できなければ、はるかに大きな痛みを伴う可能性
5)いずれかの時点で、利上げペースを落とす必要性が生じる可能性
などの考えが示されました。
パルエルFRB議長は9月FOMC利上げの幅について、データ次第としながらも、市場では0.75%の利上げ観測が高まったことから日米金融政策の方向性の違いがあらためて意識され、週明け29日の東京市場では138円台半ばを上回る円安が進行しています。
また、今週9月1日発表の米8月ISM製造業景況指数、さらに2日発表の米8月雇用統計の結果次第では7月14日の高値(139円39銭)を上抜け、心理的節目とされる140円00銭を目指して一段高となる可能性もあるだけに注目されます。そのほか、29日にブレイナードFRB副議長、30日にはリッチモンド連銀総裁、ニューヨーク連銀総裁、31日にクリーブランド連銀総裁、1日にアトランタ連銀総裁など、複数のFRB要人の発言が予定されており、26日のパウエル議長の発言を受けて、タカ派発言が相次ぐと見込まれるだけに、ドル円の下値支援に寄与すると思われます。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
8月10日に発表された米7月消費者物価指数、11日の卸売物価指数がいずれも鈍化したこと、加えて、26日発表の8月ミシガン大期待インフレ率も低下したことから、米国のインフレはピークを過ぎた?との観測もきかれています。一方、FRB要人からはこうした市場の見方を牽制、その根拠として挙げられるのは、
1) 労働需給の逼迫が賃金の上昇につながっていること
2)こうした状況がサービス分野の物価を押し上げていること
こうした状況にあることから、FRBはインフレのピークアウトに否定的な見解を示しているといえそうです。
- ※米8月消費者物価指数の発表は9/13
- ※9/5にOPECプラス閣僚会合
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
米労働市場では、求人件数/失業者数に基づく、労働需給は逼迫しており、こうした状況が賃金上昇につながっています。労働参加率が大幅に上昇するなど供給面から労働需給が緩むことは想定しづらいだけに、求人件数/失業者数が低下するためには、失業者数が大幅に増加する必要があります。しかし、8月雇用統計でも、時間給賃金が高水準を維持し、失業率も歴史的な低水準を維持することが見込まれています。
また、9月5日のOPECプラス閣僚会合に向けて、サウジアラビアが減産の意向を表明していること、秋から冬に向けて再び需要増が見込まれることから、インフレが高い水準で推移するかもしれません。
こうした中で、少なくとも9月FOMCで0.75%の利上げ観測を否定する8月雇用統計とならなければドル円は7月14日の高値(139円39銭)、さらに心理的節目の140円を目指して一段高となるか注目されます。
さらに!ポンド/円、カナダドル/円など5通貨ペアの基準スプレッドを縮小!
FXデビュープログラム実施中!
FX口座の新規開設&エントリーをして、口座開設月の翌月最終営業日までにお取引いただいたお客さまに、新規取引の合計数量に応じて最大500,000円をキャッシュバックいたします。
- ※エントリー期限は、FX口座開設月の月末最終日(土日含む)までとなります。
- ※取引期限は、FX口座開設月の翌月最終営業日の取引終了時間までとなります。
SBI証券のFXが選ばれる4つの理由とは?
SBI証券のFXが選ばれるのには理由があります。
FXデビューをお考えの皆さまに、SBI証券ならではの充実したサービスをご紹介いたします。
- ※2022年5月末時点 SBIグループのうち、約75%がSBI証券のFX口座