FOMCに向けたドル円の動向に注目
先週末22日発表のユーロ圏7月製造業および総合、ドイツの製造業、サービス業、総合PMIがいずれも景気改善/悪化の境目とされる50.0を下回った一方、英7月製造業/サービス業PMIは52.2/53.3と比較的浅い下げにとどまったため、ユーロと比較した底堅さが目立つ結果となりました。ECBは21日にインフレ抑制のために11年ぶりの利上げに踏み切っており、高インフレと景気後退のリスクを抱えるユーロ圏の先行き懸念が台頭。
ドイツ10年/2年債利回りは、それぞれ1.02%台、0.64%台へ急低下しました。また、米7月サービス業、総合PMIもそれぞれ47.0(25ヵ月ぶりの50.0割れ)および47.5と50.0割れへ低下。高インフレによる消費者心理の悪化とともにFRBの急速な金融引き締めの影響により、米4-6月期GDPが2四半期連続のマイナス成長に陥るとの懸念も聞かれ、米10年債利回りは7月6日以来の2.72%台へ低下したほか、米2年債利回りも7月12日以来の3.0%割れへ急低下したことで、ユーロは下落分の大半を回復した一方、ドル円は一時135円57銭まで下落し、136円10銭で先週末の取引を終えました。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
FOMCに向けて
7月13日に発表された米6月消費者物価指数は前年比+9.1%、コア+5.9%といずれも市場予想(+8.8%、+5.7%)を上回ったことから今週26-27日のFOMCで1.0%の利上げ観測が浮上したことから、米10年債利回りが3.07%台へ上昇したことから137円86銭まで上昇。
- ※出所:米労働省
さらに、ベージュブック(地区連銀経済報告)では経済活動が緩慢なペースで拡大しているとの認識が示されたほか、多くの地区でサプライチェーン問題や労働者不足問題が継続していると報告。さらに、ほとんどの地区が賃金の伸びを報告、物価圧力は年末まで続くと予想していることが明らかになりました。一方、急速な金融引き締めによる景気減速懸念の台頭を反映し、米2年債‐10年債利回りの逆イールドが拡大する結果となりました。しかし、ドル円は翌7月14日に一時139円39銭まで上昇するなど、140円台が意識される水準まで上昇しました。
一方、7月15日に発表された米6月輸入物価指数が前月比+0.2%と5月(+0.5%)から鈍化するなど輸入インフレの低下を示す結果となりました。また、米ミシガン大消費者景況指数が51.1と市場予想(49.9)や前月(50.0)と改善した一方、5年‐10年先の期待インフレ率が昨年7月以来の2.8%と前月(3.1%)から低下したことを受けて10年債利回りが低下。加えてアトランタ連銀総裁が急激な金融引き締めによる経済への悪影響に言及するなど、急速な金融引き締めに対し、慎重な発言が聞かれました。こうした中、21日の日銀政策会合では緩和政策の継続を決定したほか、黒田日銀総裁から足もとの円安進行について「ドルの独歩高」との認識を示したほか、「日銀が金利を少し上げただけで円安が止まるとは到底、考えられない」との考えが示されたことを受け138円88銭まで上昇。一方、米7月フィラデルフィア連銀製造業景気指数も2020年5月以来の低水準となる-12.3と6月(-3.3)に続き2ヵ月連続のマイナスになったほか、米失業保険継続受給者数も138.4万人と昨年4月以来の大幅な増加となるなど、労働市場の悪化が示される結果となっており、金融引き締めによる景気減速懸念の中、今週のFOMCで、不退転でインフレ抑制を最優先に取り組む強い姿勢が示されるかに注目されます。
6月17日にFRBが議会に提出した金融政策報告書の中で「無条件にインフレ抑制に取り組む」との姿勢を明確に打ち出しており、声明やパウエルFRB議長の会見で次回9月のFOMCの政策金利の具体的な上げ幅に言及するか、あるいは成長鈍化もしくは減速が見込まれるFOMC翌日の28日に発表される米4-6月期GDPの数値を踏まえ、金融引き締め姿勢に慎重な見方を示すか焦点となりそうです。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
ドル円は、日足・基準線を下回っており、急激な値動きがなければ今週後半に日足・転換線が基準線を上から下抜けることが見込まれています。仮に引締め姿勢の転換を示唆する内容となれば、日足・雲の下限を下抜け、三役逆転となる可能性もあるかもしれません。一方、引き続き、インフレ抑制のために、金融引き締め姿勢を継続する姿勢を示すことになれば、先週末の135円57銭までの反落が一時的な調整と捉え、日足・基準線や転換線を上抜け、7月21日の138円88銭、さらに7月14日の139円39銭を上抜け140円台を目指す円安の加速が見込まれるかもしれません。
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