先週17日に講演したパウエルFRB議長は「必要であれば、景気を冷やしも蒸かしもしない中立金利以上に政策金利を引き上げることをためらうことはない」と発言。さらに、失業率は今後、僅かに上昇する可能性があるとした上で、インフレ率を安定させる失業率は4月の3.6%を大きく超えているとの見方を示しました。市場からは、多少の労働市場悪化も厭わない、インフレ抑制を最優先とした金融引き締め姿勢が強調されたとしてタカ派寄りの方針は変わらないと捉え、NY株式市場の不安定な値動きにつながった一因とされます。
感染拡大から収束に向けた一連の動きの中で、大きく変わった一つが産業構造の変化、テレワークをはじめとする働き方改革が挙げられます。都市部近郊中心の居住がマストとされた働き方が、テレワークにより物価の低い地域でも同水準の働き方が可能となり、企業としては、優秀な人材の確保が必要となりました。こうした動きにより、失業率が改善しなくとも、賃金上昇率は上昇。感染前に前年比+3〜4%台であった時間給賃金は+5.5%まで上昇。
今回のパウエル議長の発言をあらためて見ると、FRBがインフレ抑制を目的として、失業率の上昇を容認する姿勢を鮮明にすれば、現状の見通し以上に金融引き締めの加速への思惑につながるかもしれません。一方、パウエル議長の発言は失業率を悪化させるほどの金融引き締めを強調したものではなく、インフレ抑制に向けた強い意志の表れに過ぎないと冷静な受け止め方もあるだけに、FOMC議事要旨が、インフレ抑制を最優先した内容となるか注目されます。過度な金融引き締めが景気を冷やす「オーバーキル」を懸念する金融市場とインフレ抑制を最優先してでも、景気悪化は阻止できるとして米経済を軟着陸させることは可能とするパウエル議長をはじめとするFRBとのギャップがリスク回避という形で株式市場の不安定さにつながっているだけに、議事要旨を受けたNY株式市場の反応が注目されます。
また、先週末20日のNYダウは、値頃感から買いが先行したものの、急速な金融引き締めやインフレによる根強い景気減速懸念から伸び悩み8.77ドル高と3日ぶりに反発して取引を終えました。一方、週間ベースで、世界大恐慌当時の1932年以来の8週続落(この間の下落幅は3,599.34ドル、‐10.33%)となりました。FOMC議事要旨を受けて、9週間ぶりの反発となるか、9週続落となり、リスク回避の円買いが一段と進むか注目されます。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
・ドル円は、基準線を上回っている転換線が明日24日には上から下へ基準線を下抜けること、さらに遅行スパンが価格帯を下抜けるか注目。
・RSI(14日)が46%、前述のRSI(14週)も72%に位置しており、一段と低下余地があることから、先週19日の安値(127円03銭)や4月27日の安値(126円92銭)を下抜けると相場の方向性を示す基準線が下落基調に転換するだけに、週足・転換線(126円31銭)を目指す一段の円高加速に注意が必要です。
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