USDJPY
今週15-16日のFOMCを控え、
1)先週10日に発表された米2月消費者物価指数の上昇。
2)11日に発表された米3月ミシガン大消費者信頼感指数の1年先期待インフレ率が5.4%と1981年以来の水準まで上昇。
混迷を深めるウクライナ情勢を踏まえ、今後しばらく高インフレが続くとの観測を背景に、米FRBは今週のFOMCで0.25%の利上げを皮切りとし、次回5月3-4日のFOMCでは0.50%の利上げを実施するとの見方が強まりつつあります。
こうした動きを受けて、米10年国債利回りは2月17日以来の2.022%、米2年債利回りも2019年9月19日以来の1.762%へ上昇する場面が見られるなど、金利選好資金の円売りに押される一方、ドルが対カナダを除く主要通貨で全面高となり、ドル円は一時117円35銭まで上昇しております。
週明けの東京市場では117円80銭台まで一段高となるなど、今週の日米政策会合を経て、2016年12月15日の高値(118円66銭)を目指して一段高となる可能性もあるかもしれません。
FOMCに向けて
3月1日の一般教書演説の中でバイデン大統領が「最優先事項は物価をコントロールすることである」と述べたほか、「従業員の賃金ではなく、コストを引き下げることが重要」との考えを明らかにしました。
原油をはじめとする原材料価格の上昇を抑制するには、輸入物価の抑制につながるドル高は効果があるとされます。バイデン大統領の演説に続く、2-3日の議会証言でパウエルFRB議長は、「インフレとの闘いを最優先する」として、具体策として、「3月の0.25%の利上げは適切」と述べたほか、「インフレが高止まりするようであれば、1回もしくは複数回の会合に渡って0.50%の利上げを行うなど、積極的に対応する」と発言しております。
さらに、「一連の利上げとバランスシート縮小に取り組む必要」との姿勢を明らかにしました。
市場では以下の通り、今週を含めて年内7回のFOMCでは以下のようなスケジュールで断続的に利上げを行うと見られています。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
こうしたペースで利上げが実施されたとしても、年末時点での政策金利は2.0%となりますが、中立金利とされる2.50%には届かないことになります。
それだけに、今週のFOMCで委員が示す23年末、24年末のドッドチャートが12月からどの程度変更されるのか注目されます。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
少なくとも、中立金利を下回る状況であれば、米経済を急速に冷やすことはないとの見方があるものの、先行きの政策金利予想が一段と上昇することが織り込まれること、さらに、ウクライナ情勢の影響による原油価格の上昇など、高インフレの長期化が米経済を冷やすことになれば、スタグフレーションへの懸念も浮上することから、FRBの金融政策に影響を及ぼすことになるかもしれません。こうした中で「ドル高」は輸入インフレの抑制に効果があることから、敢えてドル高が一段と進むことに対して米財務省も否定的見解を示すことはないと思われます。
1)輸入物価抑制のためのドル高
2)インフレ抑制に向けたFRBの金融政策正常化
3)ロシアへの制裁強化のための意図的なドル高
が今後しばらく続くとすれば、ロシアのみならず、ロシア支援国である中国のドル建て債務の負担増やドル資金調達コストの上昇につながるかもしれません。
日銀政策会合
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
岸田首相が、ロシアのウクライナへの軍事侵攻以降、連日で上昇する資源価格の上昇に対し、「そんなに上がったらまずい!」と発言するなど危機感を強め、周囲に漏らしたのが3月3日となります。
その後も、ウクライナ情勢に対する改善の兆しは見られず、感染拡大の影響で停滞した経済活動の回復で増産が追い付かなかったことや、サプライチェーンの問題もあり、原油価格のほか、天然ガスや石炭などエネルギー価格全般が上昇し高値圏での推移を継続しております。
さらに、ウクライナやロシアからの輸入が滞ることも影響し、NY原油先物価格が100ドル台を上回る水準を定着する可能性のほか、小麦先物価格も上昇基調にあるなど、日本の貿易収支・経常収支の赤字拡大が意識されると見られます。
しかし、今週の日銀政策会合は現状維持とした上で、黒田総裁の会見では、足もとの物価上昇について一定の注意は払うと予想されるものの、持続的なインフレ率目標の達成は難しいとして、緩和継続を強調する可能性もあり、「悪い円安」の進行へ懸念に言及するか注目されます。
黒田日銀総裁から円安進行に否定的見解が聞かれなかった場合、ドル円は2016年12月15日の高値(118円66銭)、さらにこの水準を上抜けた場合、2016年2月以来の120円台を視野に一段高となる可能性もあるだけに、今週の日米金融政策会合に対する反応が注目されます。
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