今週のFOMCの注目点
今週25〜26日のFOMCでは3月15-16日のFOMCで利上げを開始することを告知すると見られます。12月雇用統計では失業率が3.9%へ低下したことや時間給賃金の上昇といった労働市場の逼迫が賃金上昇圧力を高めていることが明らかになりました。
さらに、米12月消費者物価指数も前年比7.0%と1982年6月以来39年半ぶりの高水準まで上昇しております。食品とエネルギーを除いたコア指数も前年比5.5%と1991年2月以来の大幅な伸びを記録するなど、FRBのインフレ抑制策の必要性を正当化する結果となりました。
12月FOMCではテーパリングの加速を決定、11月のFOMCで示された今年6月にテーパリングを終了するとの方針が示されていましたが、これを3月に前倒しするとされました。11月30日の上院銀行委員会でパウエルFRB議長はインフレが「一時的」であるとの見解を撤回したほか、今後のテーパリングについても「数か月、早めるのが適切」と軌道修正を行うなど、インフレが想定以上に上昇し、長期化するとの警戒感を示していたことから、テーパリング終了時期の前倒しや政策金利見通しの上方修正もある程度、織り込まれていました。
一方、バランスシートの縮小(量的引締め)について議論されたことは、想定外だったかもしれません。前回の金融政策の正常化局面では 1)2014年1月のテーパリング開始 2)利上げ開始は2015年12月 3)バランスシートの縮小は2017年10月と段階的に進んだ当時と比べ、今回の正常化はかなり速いペースで実施される見通しが示唆されています。
こうした中、今週のFOMCではバランスシートの縮小について、前回以上に踏み込んだ議論がなされ、何らかの方針が示されるのか注目されます。バランスシートの縮小が議論されたことが明らかになり、2年債、10年債利回りがともに上昇。市場では予想以上に早いペースでバランスシートの縮小開始を織り込み始めており、今週のFOMCを控え、NY株式市場がこれまで以上に不安定な値動きとなった一因かもしれません。
ナスダックは既に、200日移動平均線を下回り、昨年11月22日に付けた史上最高値(16,212.23Pts)から10%以上下落したことで調整局面入りとなりました。また、NYダウも200日移動平均線を下回ったほか、19日には三役逆転となっています。こうした中、FOMCを受けたNY株式市場の反応次第では一段と円高が加速するか注目されます。
NYダウ
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
1) 11月8日の高値(36,565.73ドル)と1月5日の高値(36,952.65ドル)を結んだライン(1)
2) 12月1日の安値(34,006.98ドル)を起点にライン(1)と平行に引いたライン(2)
3) 12月20日の安値(34,665.50ドル)を起点に真横に引いたライン(3)
先週末21日のNYダウは昨年12月2日以来の安値となる一時34,229.55ドルまで下落し、34,265.37ドルで取引を終了しております。FOMCを前にライン(3)、ライン(2)を下回った水準で取引を終えました。それだけに、昨年12月1日の安値(34,006.98ドル)や34,000ドル割れまでの下落の可能性もあるかもしれません。
一方、反発に転じライン(2)やライン(3)を回復した場合、1月10日の安値(35,639.91ドル)や14日の安値(35,641.49ドル)を回復できるか、戻りメドとして注目されます。
日経平均株価
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
9月14日の高値(30,795円78銭)と11月16日の高値(29,960円93銭)を結んだライン(1)と
8月20日の安値(26,954円81銭)と10月6日の安値(27,293円62銭)を結んだライン(2)との三角持ち合いを下放れ。
一方、先週19日から21日にかけ10月6日の安値(27,293円62銭)=ライン(3)を下値支持線として下げ止まり、先週末のNY株式市場の続落を受けても、週明けの取引では取引序盤に27,209円50銭まで下落したものの、下げ止まっており、ライン(2)を回復することができるか、あるいはライン(3)および8月20日の安値(26,954円81銭)を下回り、一段安となるか懸念されます。
いずれにしてもFOMCを受けたNY株式市場の反応次第でクロス円を含めて円高が加速するか、円安に転じるかポイントになりそうです。
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