2022年第一週
年初3日のNY市場で米10年債利回りが1.63%台、2年債利回りも0.76%台へ上昇する中、金利先物市場でもFRBの5月利上げを100%以上織り込む水準まで上昇したことからドルが対主要通貨で全面高となり、ドル円も115円37銭まで上昇しました。さらに、4日の東京市場では正午過ぎに上昇に弾みが付き115円81銭まで上昇しております。(午後0時30分現在)
前日に米金利上昇にもかかわらず、NY株式市場ではNYダウおよびS&Pが史上最高値を更新したほか、ナスダックも5営業日ぶりに反発に転じるなど堅調な値動きで2022年の取引を開始しております。
また、ECB政策委員会メンバーの一人であるオーストリア中銀ホルツマン総裁からも昨年末にECBはマイナス金利や異例の金融政策からの脱却に徐々に着手し、財政ファイナンスへの接近を回避することが重要との発言も聞かれるなど、緩和政策の継続を続ける日銀の金融政策とのスタンスの違いも、今後のクロス円を含めた円安進行の序章になるかもしれません。
今週5日に公表される12月FOMC議事要旨では、利上げ見通しの前倒しの明確な理由が示される可能性があります。既に昨年11月24日に付けた115円52銭を更新していることから7日発表の米12月雇用統計の結果次第では116円台への上昇も期待されるほか、115円から120円のレンジ形成に向けて下値を固める動きとなる可能性があるかもしれません。
原油価格が75ドル近辺で推移した場合でも、円安の進行により原油輸入業者の為替ヘッジに伴うドル買いが増加することも含め、ドル買いを急ぐ動きが思わぬ円安の進行につながることも想定されます。
米12月雇用統計
米雇用統計 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
就業者数 | 48.3万人 | 37.9万人 | 54.6万人 | 21.0万人 | 42.4万人 |
失業率 | 5.2% | 4.8% | 4.6% | 4.2% | 4.1% |
時間給賃金(前月比) | 0.4% | 0.6% | 0.4% | 0.3% | 0.4% |
時間給賃金(前月比) | 4.0% | 4.6% | 4.8% | 4.8% | 4.2% |
8月 | 9月 | 10月 | 11月 | |
製造業 | 5.4万人増 | 6.5万人増 | 9.4万人増 | 6.0万人増 |
サービス業 | 45万人増 | 35.9万人増 | 53.4万人増 | 17.5万人増 |
政府系 | 2.1万人減 | 4.5万人減 | 8.2万人減 | 2.5万人減 |
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
11月の雇用統計では就業者数が21.0万人増と昨年最低の増加幅に留まった一方、失業率は2020年2月以来の4.2%と10月(4.6%)から大幅に改善しました。さらに、フルタイムの職を希望しながらパート職に従事する人も含めた広義の失業率(U-6失業率)も7.8%と、前月の8.3%から大幅に改善しております。労働参加率が10月の61.6%から61.8%へ上昇したにも関わらず、就業者数の伸びが鈍化した要因は、人手不足の状態が続く中、企業による人員確保ができずにある需給ギャップが一因との見方があります。しかし、インフレの高進に加えて、米労働市場の改善は継続しているとの見方から、12月FOMCでは今年3月中旬までのテーパリング終了や年央までの利上げ開始との見方を支援する要因となりました。
こうした状況は12月も大きく変わらないと思われること、オミクロン株の感染拡大の影響により、プロバスケットボールやフットボール、アイスホッケーなどのリーグ戦が中止されたほか、一部の州でマスクの義務化などの動きが見られました。一方、レストラン閉鎖など経済活動の規制強化策が講じられることがなかったことから、比較的低賃金のサービス業などの就業者数の増加につながると予想され、時間給賃金全体を押し下げる可能性があり、対前年比の時間給賃金は11月の4.8%から4.2%へ低下すると見込まれています。
昨年12月26日に米クレジットカード大手・マスターカードが発表した11月1日から12月24日の利用状況によると、今年の米年末商戦の小売売上高は前年比8.5%増となり、電子商取引が前年同期比11%増となったほか、実店舗の売上高も8.1%増となりました。感染拡大によるサプライチェーンの混乱の心配や物価上昇への懸念も含め、消費者の購買意欲の高さが確認され、就業者数の改善につながると予想されます。
FOMC議事要旨や米12月雇用統計を受け、3月中旬までのテーパリング終了と同時に利上げといった観測が高まることになればドル高が一段と進むことになるか注目されます。
USD/JPY
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
11月9日の安値(112円73銭)から11月24日の高値(115円52銭)までの上昇幅(2円79銭)を11月30日の安値(112円53銭)に上乗せして試算される115円32銭を上抜けていることから、2円79銭の1.618倍(=4.51銭)を上乗せして得られる117円01銭を目指して一段高となるか注目されます。
一方、日足・転換線(114円66銭)や9月22日の安値(109円12銭)と12月3日の安値(112円56銭)を結んだライン(1)(現状:114円01銭)が下値メドとして注目されます。
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