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今週末の米7月雇用統計の注目点

2021/8/3
提供:SBIリクイディティ・マーケット社

今週末の米7月雇用統計の注目点

3月 4月 5月 6月 7月予想
就業者数 78.5万人 26.9万人 58.3万人 85.0万人 90.0万人
失業率 6.0% 6.1% 5.8% 5.9% 5.7%
時間給賃金 前月比 -0.1% 0.7% 0.5% 0.3% 0.3%
時間給賃金 前年比 4.2% 0.4% 2.0% 3.6% 3.9%
3月 4月 5月 6月
製造業 15.9万人増 4.1万人減 1.9万人増 2.0万人増
サービス業 56.5万人増 26.7万人増 49.7万人増 64.2万人増
政府系 6.1万人増 4.3万人増 6.7万人増 18.8万人増
  • ※出所:SBIリクイディティ・マーケット

6月雇用統計のReview

就業者数はワクチン接種の効果によるレストランの再開などサービス業を中心に小売関連業種で67.1万人増と5月(26.7万人増)から大きく増加するなど全体の就業者数の増加を牽引しました。一方、サービス業の中でもヘルスケア(5月:20.2万人増⇒6月:20.2万人増)、レジャー関連(5月:30.6万人増⇒6月:34.3万人増)、教育関連(5月:5.9万人増⇒6月:5.9万人増)のほか、製造業も伸び悩む結果となりました。
また、失業率も5.9%と市場予想(5.6%)までの改善には至らず5月(5.8%)から悪化しました。労働参加率も予想(61.7%)を下回る61.6%に留まるなど、9月まで継続される失業給付の特別加算の影響が積極的な就業意欲を後退させる一因となったと見られています。

7月雇用統計の注目点

先週のFOMCでは米経済が雇用とインフレに関し、FRBの目標に向けて前進したとの認識が示されたこと、パウエルFRB議長が会見で資産購入を変更する時期はデータ次第との考えを明らかにしたこともあり雇用統計の結果が注目されます。さらに、今月下旬に予定されているカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)を前にした最後の雇用統計となることから、パウエル議長の講演内容やFRBのテーパリング(量的緩和縮小)議論にも影響を及ぼす可能性もあるだけに注目されます。
そのほか、7月7日に発表された5月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数が920.9万件と前月(919.3万件)から小幅ながら増加し過去最高を更新した一方、採用件数は592.7万件と、前月(601.2万件)から減少するなど、労働力の供給制約が引き続き雇用の足かせになっています。こうした状況下、9月の失業給付の特別加算終了に備え、労働意欲が高まり労働参加率が高まっているか注目されます。
労働力確保に向け、給与引き上げに動く企業も見られる中、自発的な離職件数も360.4万件と、前月399.2万件から減少したものの、自発的な離職者が離職者全体に占める割合は3分の2を上回るなど昨年の感染前の水準を上回るなど労働需給のタイトな上昇が続いていることが時間給賃金の上昇継続に寄与しているか注目されます。
さらに、6月の季節調整前の就業者数115.0万人増から引下げの調整が行われた一方、例年7月の雇用統計では労働市場全体の雇用創出が減少傾向にあるため引上げの季節調整が行われると見られる影響により市場予想(90.0万人増)を上回り、昨年8月以来となる100万人超の増加につながるか注目されます。

ドル円は反発するか、円高が加速するか・・・

7月2日の6月雇用統計発表前には111円66銭まで円安が進んだものの、その後109円台前半へ反落し、110円台半ばからの上値が重くなり再び109円台前半への下振れリスクが高まりつつあります。7月雇用統計がドル円の反発につながるか、109円割れに向けた一段の円高が進むきっかけとなるか注目されます。

  • ※出所:SBIリクイディティ・マーケット

・16年12月15日の高値(118円66銭)と18年10月4日の高値(114円55銭)を結んだライン①
・18年10月4日の高値(114円55銭)と20年2月20日の高値(112円23銭)を結んだライン②
・今年4月23日の安値(107円48銭)と7月19日の安値(109円06銭)を結んだライン③

(1)ライン②(現状:109円72銭)を下値支持線として日足・転換線(109円98銭)や日足・基準線及び週足・転換線(いずれも110円36銭)を回復し、111円台を回復することができるか注目されます。

(2)ライン③(現状:109円29銭)、さらに先週19日の安値(109円09銭)を下抜けた場合には週足・基準線(108円04銭)やライン①(現状:107円88銭)を目指して一段と円高が加速するか注目されます。

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