先週末23日の為替市場は前日22日のECB理事会がハト派的な内容となったほか、欧州のコロナ新規感染者数が減速に転じたことから、リスク選好の流れとなり、ドイツDAX指数が4連騰で取引を終えました。また、原油価格の反発が牽引してグローバルにリスク選好地合いとなる中、NY株式市場では主要3指数は最高値更新しました。
一方、米10年債利回りは一時1.31%台まで上昇したもののNY市場終盤にかけて1.28%台へ低下するなど上値は重く、FOMCを控えて2年-10年のフラットニング基調を継続しています。こうした中、円が対主要通貨で全面安となり、ドル円も110円59銭まで上昇し110円54銭で先週末の取引を終え、週明けの東京市場では110円58銭を高値に110円32銭まで反落したものの底堅い値動きを継続しています。
今週は以下の材料が注目材料となるかもしれません。
米中外交当局高官会談の行方
米シャーマン国務副長官は26日に謝鋒外務次官と会談後、王毅国務委員兼外相とも会談する予定で3月のアラスカでの会談以来となる米中外交当局間の直接対話は、米中関係のゆくえを占う試金石となるかもしれないだけに注目されます。
両国は対話の再開で一致したものの、根幹部分での歩み寄りは見られず、緊張緩和につながればリスク選好が加速する可能性の一方、対立・分断が表面化することになればリスク回避につながる可能性もあるだけに注目されます。
FOMCの行方
(1)量的緩和策の縮小を巡る議論(月に国債800億ドルや住宅ローン担保証券400億ドルのペースで進めている資産買い入れ策の縮小に着手する時期とペース)を加速させるか注目されます。
(2)6月のFOMCでは、FRB当局者18人の内、13人が23年末までの利上げを予想した一方、7人は22年末までの利上げ実施を予想する中、パウエル議長が内部の合意を形成できるか注目されます。
(3)8月のジャクソンホールのシンポジウムに向けてテーパリングの進め方について手掛かりを提供するかなどの注目点に対する米債券・株式市場の反応を受け、リスク選好を一段と加速させるか、後退となるか注目されます。
ECB理事会を終えてのユーロの対ドルでの動向
先週のECB理事会ではフォワードガイダンスを修正しましたが、反応は限定的に留まり、利上げ開始時期は早くても2025年以降となる見込みとなりました。
ラガルドECB総裁の会見でも債券買い入れプログラムは長期にわたって継続すると述べるにとどまり、来年3月のPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)終了後の政策運営については依然として不透明な状況になっています。
加えてテーパリングの開始時期も不透明な状況で、引き続き理事会内での合意形成が困難な状況が続いています。こうした状況を背景にユーロは対ドルで1.17ドル台後半を中心に上値の重い値動きを継続しています。それだけに、FOMCを受けてユーロが対ドルで4月5日の安値(1.1737ドル)を目指して一段安となるか、あるいは1.18ドル台を回復し反発に転じるか注目されます。
今週のドル円は?
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
・2016年12月15日の高値(118円66銭)と2018年10月4日の高値(114円55銭)を結んだライン①
・2018年10月4日の高値(114円55銭)と2020年2月20日の高値(112円23銭)を結んだライン②
・今年4月23日の安値(107円48銭)と7月19日の安値(109円06銭)を結んだライン③
(1)週足・転換線および日足・基準線(いずれも110円36銭)を下値支持線として111円台を回復することができるか注目されます。
(2)リスク選好の動きに一服感が見られ、週足・転換線および日足・基準線(いずれも110円36銭)が上値抵抗線として意識され反落した場合の下値メドとしてライン②(現状:109円74銭)やライン③(現状:109円19銭)、さらに先週19日の安値(109円09銭)を下抜けた場合にはライン①(現状:108円16銭)が下値メドとして意識される展開も予想されます。
(3)29日に発表される米4-6月期GDPや30日発表の米6月個人消費支出(PCE)やPCEコアデフレーターに対する反応やクロス円が先週の下落で一旦の底打ちを確認することができるかドル円の方向を左右するポイントとして注目されます。
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