ユーロは対ドルで堅調を継続か?
4/23発表のユーロ圏4月製造業PMIは2ヶ月連続で統計開始来の最高を記録し、ユーロ圏と仏のサービス業PMIも8ヶ月ぶりに好不況の節目とされる50.0を上回る好調な結果となりました。
欧州各国では7月までに人口の7割のワクチン接種にメドが立ったとされ、米国との景況感格差が縮まるとの見方につながり、ユーロ買いを支援。さらに、4/25付ニューヨークタイムズ紙は欧州委員会のフォンデアライエン委員長が同紙とのインタビューで米国人は欧州医薬品庁(EMA)が承認したワクチンを使用しており、EUへ自由な移動と旅行が可能になるだろうと述べるなど、今夏にも、ワクチン接種を終えた米国人旅行者を受け入れる見通しの可能性を報じています。
また、英オックスフォード大の調査で英アストラゼネカもしくは米ファイザーのワクチンは、1回のみの接種で感染を65%削減できるとの結果を公表したこともユーロの上昇につながり、週明けの東京市場では1.2112ドルまで上昇しています。
1都3府県の緊急事態宣言発出が正式に決定されたことによるリスク回避の円買いも観測される中、米10年国債利回りが一時、1.53%へ低下したことでドル円が3月4日以来の107円48銭へ下落。
その後、108円14銭まで急速に切り返したものの107円86銭で取引を終え、週明けの東京市場でも日足・雲の上限(107円98銭)及び週足・転換線(108円66銭)を下回る値動きを続けるなど上値の重い値動きを継続。
一方、ユーロ・円は一時129円台後半へ反落したものの、130円台半ばを回復し週明けの東京市場でも130円59銭へ上昇するなど、ユーロの対ドルにサポートされる堅調な値動きを続けています。
今週の米債券市場の反応に注目
今週は4/26の米2年債、5年債入札、4/27の米7年債入札を受けて10年債利回りが先週末に付けた1.53%以下まで低下するのかドルの対主要通貨での反応が注目されます。
4月以降発表される米経済指標は予想を上回るものが目立つ状況なだけに、1.50%割れまでの低下は想定しにくいと思われます。一方、今週の日銀政策会合やFOMCの政策変更はないと見られるものの、米国でのワクチン普及の加速や労働市場を含めた経済指標の改善が続いていることから、景気見通しに楽観的なトーンが強まるか注目されます。
そのほか、今週は27日に発表される米4月消費者信頼感指数や29日発表の米1-3月期GDPに対する債券市場の反応、さらには26日発表のドイツ4月IFO景況感指数や30日発表のドイツやユーロ圏1‐3月期GDPに対するユーロドルの動向のほか、月末週の需給なども含め、ドル安に歯止めがかかり、反発に転じるか注目されます。
来週末5月7日には米4月雇用統計の発表
今週のFOMC で先行きに対する楽観的な景況感が示された場合、テーパリングの前倒し観測などFRBの金融政策のトーンに変化が見られるのか、声明次第では5/7発表の4月雇用統計への注目度も大きく高まる可能性があるかもしれません。
ドル円の下値メド・上値メド
ドル円は、4/23の安値(107円48銭)を下抜け、一段と円高が加速した場合、年初の1/6の安値(102円59銭)から3/31の高値(110円97銭)への上昇に対する50.0%水準および週足・基準線(いずれも106円78銭)、さらに週足・雲の上限(106円70銭)までの下落に注意が必要です。
一方、米10年債利回りが先週末の1.53%台で一旦の底入れとなり、今週から来週にかけての米経済指標を受けて再び1.6%台を回復するか注目。その場合、上値メドとして(1)先週末の高値(108円14銭) (2)日足・転換線(108円29銭) (3)先週4/19の高値(108円83銭) (4)200週移動平均線(108円96銭) (4)日足・基準線(109円22銭)がポイントになりそうです。
USDJPY 週足チャート
ユーロは1/6の高値(1.2349ドル)と2/25の高値(1.2243ドル)を結んだラインを上抜け、2/25の高値(1.2243ドル)を目指して一段高となるか注目されます。一方、3/31の安値(1.1703ドル)からほぼ一本調子での上昇を続けていることもあり、一時的な調整には注意が必要です。その場合、日足・雲の上限に沿って下落する可能性のほか、日足・転換線(1.2026ドル)や週足・基準線(1.1976ドル)が下値メドになるかもしれません。
いずれにしても今週から来週にかけてのドル円、ユーロドルの動きは夏までの相場展開を占う上で重要なポイントになる可能性もあるだけに注目されます。
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