2020年、ここまでの振り返り
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
上記は、年初からの週足チャートになります。コロナショック前のNY株式市場では主要三指数が史上最高値を更新しました。FRBの金融政策も当面利下げを行わないとの観測の下、ドル円はリスク選好の円安の流れを受けて今年2月には112円23銭まで円安が進みました。しかし、中国・武漢発の新型コロナウィルスが猛威を振るい、当初、対岸の火事として眺めていた欧州ではイタリアから徐々に拡大、欧州から米国へ、さらに世界中に感染拡大が広がるとFRBは臨時のFOMCを開催しました。ゼロ金利政策を掲げ、大量の流動性を供給し、ドルの需給が急速に緩んだことでドル円は101円18銭まで下落しました。
その後、春先以降の鎮静化から景気回復期待が台頭する中、ドル円は米労働市場や経済活動再開への期待とともに6月には109円85銭まで反発しました。その後は感染の再拡大とワクチン開発への期待が交錯する中、欧州ではEU復興基金や英国とEUとの将来関係を巡る交渉を横目に、ワクチン接種実用化へのメドが立つ中、リスク選好のドル売りが再燃しました。
ドルは対ユーロ、ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドルなど主要通貨に対し、いずれも年初来安値を更新しました。こうした中、ドル円は3月以来の安値まで下落し、102円88銭を下値に103円台前半でクリスマス前の膠着状態を続けています。
来年2021年のドル円を占う上でのポイントは?
先週のFOMCでは「雇用の最大化と物価の安定との目標に向け、顕著な進展があるまで債券買い入れ額を維持する」との新たな指針が示されました。当面の間、量的緩和策の縮小には時間がかかるとの見方を受けて、NY株式市場では主要三指数が史上最高値を更新しました。
リスク選好のドル売りを背景にドルの対主要通貨での強弱を示すドルインデックスは、2018年4月以来の水準まで低下しました。ワクチン接種の目に見えるかたちでの効果が表れ、経済活動正常化に向けた動きに確信が持てる状況になった場合、パウエルFRB議長は量的緩和ペースの段階的縮小に言及するのか注目です。2013年5月に当時のバーナンキFRB議長が量的緩和縮小の可能性に言及したことでNY株式市場が大幅な下落となり、為替市場でも円高が急速に進んだ経緯がありますが、こうした事態が再燃される可能性があるのか、2021年の為替相場を占う上で大きなポイントになると思われます。仮にこうしたFRBの金融政策の指針の変更が明らかになった場合、米長期金利は上昇を加速すると思われ、米10年債利回りは1.25%から1.50%程度へ上昇する可能性もあるかもしれません。
ドル円は底打ち?円高が加速しても一時的? 来年のドル円は?
先週17日にドル円は102円88銭まで下落したものの、先週末18日には前日の高値を上回る103円59銭まで反発し、103円31銭で取引を終えるなど、日足チャートは陽線で取引を終えました。本日もさらに、先週末の高値(103円59銭)を上抜けることができれば、17日の安値102円88銭で一旦の底打ちの可能性が示唆されるかもしれません。
コロナウィルスという「見えない敵」は、今年の初めには想定できないくらい金融市場や経済活動を脅かす存在となり、世界の潮流が大きく変化しました。
来年、コロナ後の世界をどのようにイメージするのか、前提条件を変えることで相場見通しは全く違った世界になりかねません。
パウエルFRB議長の発言を借りれば、ワクチン実用化にリスクがないわけではありません。さらにバイデン新大統領が就任するアメリカが中国や中東、ロシアとどのように向き合うのか、対立の構図が深まることになれば、仮にワクチン実用化が進んでも、効果を薄めることになるかもしれません。
CRBインデックスとドル円の相関関係?
エネルギー価格や貴金属、さらには牛肉やオレンジジュース、カカオなどの農産物なども含まれる商品先物価格から算出される国際商品先物指数とも言われるCRBインデックスは、中でも原油価格先物のウエイトが大きいとされます。
しかし、CRBインデックスとドル円との相関関係を見ると、多少の差異はあるものの概ね6ヵ月程度の時間差を置いてドル円がCRBインデックスを後追いする流れにあることが確認されます。
CRBインデックスは今年4月19日に112.75で底打ち後、緩やかに上昇を続け、先週末には166.45で取引を終えました。4月19日からおよそ6ヵ月後にあたる10月29日にドル円は104円00銭まで下落しました。その後、一段安となっているものの、週足・転換線(104円31銭)を回復し上昇に転じることができれば、ドル円は先週17日の102円88銭で底打ちとなる可能性もあるかもしれません。
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