バイデン候補の勝因は?
米大統領選ではトランプ大統領が法廷闘争の構えを見せるなど敗北を認めていないものの大統領の側近からはバイデン候補の勝利を覆すのは困難であり、大統領の法廷闘争は単なる時間稼ぎに過ぎず、無益との冷ややかな見解も聞かれています。
それでも11/8時点でトランプ大統領も前回2016年の得票数を700万票以上上回る7,110万票(47.7%)を獲得、バイデン候補の7,538万票(50.5%)と僅差となるなど、根強いトランプ支持者の存在が明らかになっています。
米国全体でおよそ60%を占める白人は、2045年には50%割れまで減少するとの見通しも聞かれる中、白人至上主義を容認するようなトランプ大統領の発言を好意的と受け止める支持者もいれば敵視する有権者も多く、人種差別問題などに発展、選挙戦に大きく影響したとされます。
英国のEU離脱でも見られた古き良き英国への回帰を望んだ有権者が見られたように米国でも白人で、非大卒でも、ある程度の地位が確保された中間層とされる人々が非白人に職を奪われたとして反発を強め、トランプ支持を表明しました。しかし、トランプ大統領の歯に衣着せぬ言動に対する静かな反発も根強く、世代・人種・貧困などを巡る分断がこれ以上拡大することを望まない有権者が、トランプ以外の政治に希望を託したということかもしれません。
民主党バイデン政権は何をできるか?
こうした中で注目されるのが議会上院選の行方で、議会下院では8日時点で民主党が216議席を確保し、共和党の196議席に対してリードしています。残り23議席から2議席を確保すれば議会下院を民主党が引き続き過半数を確保する状況は変わらないと見られています。
一方議会上院は民主・共和ともに48議席で拮抗しています。残り4議席で民主・共和いずれかが過半数を確保するのか、50議席対50議席と同数になるのか、一部の州では年明け1月の決選投票にもつれると見られており、こうした混乱の中、改選前の議員による追加景気対策を年内に決着できるか微妙な情勢です。
トランプ大統領が法廷闘争を継続する見通しであることも追加景気対策の遅れにつながるだけに、結果的にFRBの緩和政策に頼りながら、財政政策を待つことになりそうです。
過度なリスク回避につながらない?
バイデン大統領、議会上院が共和党、下院が民主党という構図になり、当面の政治が運営されることになれば、適度な規模での経済対策の発動と、低金利の維持など、「いいとこ取り」の政権運営となるか注目されます。
NY株式市場ではFRBの低金利政策が維持される見通しであり、業績相場へスムーズに移行できるか注目されます。S&P500指数の予想PERは、 先週末時点で22倍に近い水準まで上昇、ITバブル期に匹敵するほどの高水準となっています。
米国の実質金利がマイナスで推移している状況がこうした高PERの一因とされる中、米国の企業業績は、前年が感染拡大の影響があったことで来年は大幅な増益に転じることが期待されます。加えて、ワクチンの開発が進むか、感染拡大に歯止めが掛かり経済の正常化が進むか注目されます。
米経済のファンダメンタルズは悪くない?
先週末発表された米10月の雇用統計では就業者数が6月をピークに延びが鈍化しています。しかし政府系雇用が9月(22.0万人減)に続き、26.8万人減少するなど製造業の改善やサービス業がほぼ横ばいで推移したにもかかわらず、改善の足かせになりました。また、先週2日に発表された米10月ISM製造業景況指数が59.3と、2018年9月以降ほぼ2年ぶり高水準となるなど堅調を持続しています。
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
感染対策を強化することで雇用の鈍化に歯止めが掛かり、ワクチン開発とともに2番底を形成することなく、横ばいから回復基調を強めていくか注目されます。
直近は、トランプ大統領が法廷闘争をあきらめ、政治空白が短期間に終了。さらにその後は共和党からの政権移行によってトランプ政権時代の株高、低失業率を継承するために、内政重視、外交手薄となることが米中間にどのような影響を及ぼすか、また北朝鮮やイランなどの外交政策をどのように進めることができるか、閣僚人事を含めて注目されます。
NY株式市場でも業績相場重視へスムーズに移行することでNY株式市場の緩やかな上昇が期待できるか、過度なリスク回避の動きが封印されることになるか注目されます。
ドル円も今年3月の101円台前半までの下落に至らず、先週末の103円18銭で一旦の底打ちとなるか、トランプ大統領が共和党内部からの説得に応じ、事態の収拾が早まることになれば105円台への反発の可能性も十分あるかもしれません。
非農業部門雇用者数(万人)の推移
- ※出所:米労働局
米時間給賃金(%)の推移
- ※出所:米労働局
米失業率(%)の推移
- ※出所:米労働局
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