英EU離脱に向けたスケジュール
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
英のEU離脱後の将来関係を巡る通商交渉や漁業権、公正な競争、さらには外交政策などガバナンスについての交渉が最終局面を迎えています。先週末9日にはEU外交筋から双方の主張に大きな隔たりが見られ、交渉に進展が見られないとする発言も聞かれ、双方に歩み寄る姿勢が見られるか焦点となります。
英国とEUを巡る争点は?
1.漁業権
EU側が英EU離脱後も現状とほぼ変わらないEU各国による漁業権を主張しています。これに対し、英国はEUに割り当てる漁獲量などについて定期的に交渉するとの見解を示しており、離脱後の英国に優位な漁獲量を確保したい意向です。
2.離脱後の産業政策・補助金問題
英国とEUが公平な条件で競争できる枠組みの整備について、英国はEU市場への無関税でのアクセスの維持を要求しています。これに対しEUは英国が競争条件を緩和する可能性を懸念し、EUの補助金規制の緩和に留めたい意向を主張しており、こうした点でも双方が対立しています。農産物・水産品・自動車・機械などについて、英国はEUとの間で関税、賦課金、数量制限を導入しない意向を表明しました。また、通関手続きについて関税はなくても、国境における通関手続きが必要です。また、英国はEUがこれまで第三国と締結した包括的FTA(自由貿易協定)に含まれる内容を超える取り決めには合意できないと主張しています。(⇒関税ゼロなど英国がEU加盟時と変わらない水準のFTAの発効に具体的な指針で合意することが出来るか焦点の一つ) さらに、投資や貿易を促進するために、これら分野での規制を故意に引き下げないと主張しています。これに対しEU側の意向と隔たりがあるとしてEUは英国に譲歩することは出来ないとの見解を示しました。また、英政府が新型コロナウイルス感染の影響からの経済再生や情報技術などの新たな成長分野で英政府支援を巡る主導権の確保を望んでいます。これに対しEUは英国が自由貿易を望むのであれば、EUの主張する「公正な競争の確保」を受け入れる必要があると主張しています。
3.EUとの英国内法案
9月上旬にジョンソン政権は、既に今年1月に発効済のEUとの離脱協定の一部を一方的に修正することが出来る国内市場法案を議会に提出しました。この法案では今年1月に締結した離脱協定にある「北アイルランドとアイルランドとの国境管理」について英国に優位になるよう協定を反故する内容があり、EU側は英国に対し法的措置を開始しており、この点が対立の一つとなっています。
ポンドは1.3078ドルを上抜けるか?
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
先週のポンドは7日から9日まで行われたEU離脱後の将来関係に関する交渉の行方を巡るヘッドラインに一喜一憂するなど、10/6の1.3007ドルを高値に10/7に一時1.2844ドルへ下落しました。その後、10/9には9/8以来の高値となる1.3050ドルまで上昇し、1.3048ドルで先週末の取引を終えるなど荒っぽい値動きに終始しました。
ポンドは9/1の1.3482ドルを高値に9/23には1.2674ドルまで下落しました。この間の高値と安値の半値水準が1.3078ドルにあたり、この水準を回復することが出来るかポイントの一つとして注目されます。
交渉を巡ってはベストシナリオ(具体的な進展)が難しいとされる一方、ワーストシナリオ(交渉決裂)は避けられ、分野毎の交渉継続が確認されるソフトランディングに落ち着くとの観測が聞かれます。政治的な駆け引きもあるだけに期待もあり、ポンドは堅調な値動きを続けているものの、来年1月以降の英国の正式なEU離脱後を見据えてどこまでポンド買いを進めることができるのか神経質な値動きを続けています。今週のEU首脳会議を挟んで、何等かの進展が見られるか、ポンドの動向が注目されます。
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