米9月雇用統計 (非農業部門雇用者数前月比/失業率 等) |
発表時間: |
10/2(金)21:30(日本時間)
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前回値: |
137.1万人 / 8.4% |
事前予想: |
85.0万人 / 8.2% |
米9月雇用統計 予想を確認!
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月予想 | |
非農業部門 雇用者数(万人) | -2078.7 | 272.5 | 478.1 | 173.4 | 137.1 | 85.0 |
失業率(%) | 14.7 | 13.3 | 11.1 | 10.2 | 8.4 | 8.2 |
時間給賃金 前月比(%) | 4.7 | -1.0 | -1.3 | 0.1 | 0.4 | 0.2 |
時間給賃金 前年比(%) | 8.0 | 6.6 | 4.9 | 4.7 | 4.7 | 4.8 |
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※出所:SBIリクイディティ・マーケット
※市場予想は9/28現在の予想平均値
米9月雇用統計の注目点は?
9月の失業率は8.2%と8月の8.4%から一段と改善が進み、4月の14.7%をピークに5ヵ月連続で改善が見込まれています。一方で、非農業部門就業者数は85.0万人増と6月の478.1万人増をピークに一段と鈍化すると予想されています。
米国では、依然として長期金利の低迷が続く中、インフレ期待の低下を受けて実質金利が上昇しています。しかし、先週末に実質金利は小幅に低下したものの、ユーロや豪ドルなど対主要通貨に対する堅調さを背景に、ドル円は105円70銭まで上昇しました。長期金利の低迷を受けて米住宅市場は堅調な結果となっており、先週発表された8月の中古・新築住宅販売件数は、いずれも2006年以来の高水準となりました。
一方、新規失業保険申請者数は、前週からの減少幅が予想に届かなかったものの、4週連続で80万件台後半で推移するなど、失業率の改善予想を裏付ける一因となっています。新型コロナウイルス感染の再拡大に加え、パウエルFRB議長は政府の財政出動が不十分との認識を示すなど、米経済の先行きに対する不確実性が高いとの懸念も聞かれています。こうしたこともあり、ドル円は104 円台から翌営業日に106 円台半ばを回復した7月末から8月初めの局面に比べ、戻りは鈍く、105円台半ば付近での攻防を続けています。失業率が改善を続けることがドル円の下値支援となるか、あるいは就業者数の鈍化が嫌気され105円割れを試すのか注目されます。
また、大統領選の行方に影響を及ぼす可能性のある失業率の中身にも注意が必要です。直近3ヵ月の失業率を見ると、6月11.1%(白人:10.1%黒人:15.4%) 7月10.2%(白人:9.2% 黒人:14.6%) 8月8.4%(白人:7.3% 黒人13.0%)と黒人の失業率が今後どこまで改善するかが、トランプ大統領の再選を占うポイントの一つになるかもしれません。
米大統領選を巡る不透明感
11/3の米大統領選は、およそ1ヵ月後にせまっています。トランプ大統領が再選した場合でも、議会とのねじれが生じると見られ、議会の承認を必要とする財政出動への懸念が聞かれます。
一方、民主党のバイデン候補が大統領選に勝利した場合、議会は上下両院ともに民主党が過半数を獲得する可能性が高いと見られます。しかし、バイデン候補が掲げるインフラ投資や法人減税の打ち切り、さらには富裕層への増税などの政策を鑑みると、財政政策は中立もしくは緊縮気味となるかもしれません。
こうした論点も踏まえ、9/29には両大統領候補による第1回目となるTV討論会がクリーブランドで開催されます。さらに、10/7には副大統領候補によるTV討論会もあり、注目されます。
大統領選を左右する材料の一つとして注目されるのが黒人問題への対応かもしれません。バイデン候補は、民主党の副大統領候補にカマラ・ハリス上院議員(元カリフォルニア州司法長官、父親がジャマイカ系、母親がインド系)を指名しました。バイデン氏はハリスについて、女性、黒人女性、アメリカ黒人、移民、取り残された人々すべてに投げかけられた障壁について、すべて理解していると指名受諾演説で発言しました。しかし、バイデン候補の支持率を一段と上昇させることにはならず、むしろトランプ大統領の支持率が回復傾向にあります。
米大統領選まで1ヵ月あまり、NY株式市場は利益確定売りに押されやすい時期に入りつつあるとの指摘も聞かれます。米労働市場の改善が継続するのか、同時にトランプ大統領が4年間の成果の一つとして強調するNY株式市場の堅調地合いが継続するのか、また、今週末の米9月雇用統計を契機にドルは対欧州通貨や豪ドルなどに対する買戻しが一巡することになるのか、注目されます。
非農業部門雇用者数(万人)の推移
- ※出所:米労働省
米時間給賃金 前年比(%) 、 前月比(%)
- ※出所:米労働省
米失業率(%)
- ※出所:米労働省
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