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GDPは5四半期ぶりのマイナス成長・・・リセッション入りとなる可能性も!?

2020/2/18
提供:SBIリクイディティ・マーケット社

GDPは5四半期ぶりのマイナス成長

連日報じられている新型ウイルスの感染拡大について、政府は2/16に開催した専門家会議で「国内発生の早期段階」にあるとの認識を示し、患者数が今後増加するとの想定のもと対策を講じるとしています。

先週2/10時点の新型ウイルスによる致死率は2.0%と2002年から2003年にかけて流行したSARSの約10%を下回っているものの、中国の製造業におけるサプライチェーンの問題や、インバウンド消費などに対する影響を考慮すれば、中国の2020年の成長率見通しは1/20時点でIMFが示した6.0%を大きく下回る5.0%程度へ下方修正されると見られています。同時に、世界経済見通しもIMFの3.3%の成長見通しから2.7%程度へ修正されると考えられます。しかし、あくまでも予想は予想に過ぎず、感染拡大がいつまで続くかといった点が焦点になります。

一方、中国が預金準備率の引き下げや約27兆円規模の大量な流動性供給を行ったほか、約1兆円規模の財政資金を準備しているとの報道など、景気減速への影響を最小限に食い止めようと対策を講じていることもあり、人民元の下落に歯止めが掛かっていることもドル円の下落を抑制している一因となっていると見られています。

こうした中、日本の10-12月期GDPは前期比‐1.6%と5四半期ぶりのマイナス成長となり、2014年1-3月期の‐1.9%以来の大幅な減速を記録しました。昨年10月の消費増税を前にした駆け込み需要の反動もGDPの減速に影響を及ぼすこととなりました。

https://sbisec.akamaized.net/sbisec/images/base/g_market_report_fx_toku_200218_17211_01.gif
  • ※出所:SBIリクイディティ・マーケット

リセッション入りとなる可能性も

ウイルス感染拡大によるインバウンド消費の大幅な減少とともに、観光産業への打撃や自動車産業などにおける中国からの部品調達の問題による生産活動の一時的な停止の影響などから、1-3月期GDPも前期に続き2四半期連続のマイナス成長、すなわちリセッション入りとなる可能性が懸念されます。

GDPの発表やウイルス感染拡大などの報道を受けて、週明けの日経平均株価は取引開始直後に351円安まで下落したもののドル円は109円88銭を高値に109円72銭までの反落に留まっています。

2/22からサウジアラビアのリャドでG20が行われる予定で、ウイルス感染拡大に対して各国が協調して対策に取り組む姿勢が示されると見られます。こうした国際会議の場で各国の協調姿勢が確認されるか、また、人民元の底堅い値動きの継続を確認できるかが注目されます。

豪ドルの行方は?

3月上旬以降発表される2月の中国経済指標が想像以上に悪化するのか、そうした局面でも人民元は大幅な下落に至らず下げ止まるのか、中国経済と密接な関係のある豪ドルの動向と合わせて注目されます。

先週、中国当局が新型肺炎の死者・感染者数を大幅に過少報告している可能性が専門家から指摘されたことや、中国の春節期間中の旅行者数が前年比73%減となったというデータが公表されるなど、今後リスクセンチメントが大幅に悪化する可能性があるかもしれません。先週末の豪ドル円は、73円98銭を高値に伸び悩むなど74円台の重さが一層意識されています。

先週講演を行った豪中銀ロウ総裁は、0.75%の政策金利について既に非常に低い水準であるとの認識を明らかにするなど、追加利下げに慎重な姿勢を示しており、今週2/18に発表される豪中銀政策委員会議事要旨に対する反応は限られると思われます。しかし、2/20に発表される豪1月雇用統計の結果次第では、豪中銀の早期追加利下げ観測が再び高まる可能性もあり、引き続きウイルス感染を巡る中国および豪経済の行方とともに注目されます。

さらに、3/3には豪中銀政策委員会、3/4には豪10-12月期GDPが発表されるだけに、それまで豪ドルは明確な方向性を見出すことが難しいかもしれません。

https://sbisec.akamaized.net/sbisec/images/base/g_market_report_fx_toku_200218_17211_03.gif
  • ※出所:SBIリクイディティ・マーケット

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