11月雇用統計結果
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | |
非農業部門 雇用者数(万人) | 17.8 | 16.6 | 21.9 | 19.3 | 15.6 | 26.6 |
失業率(%) | 3.7 | 3.7 | 3.7 | 3.5 | 3.6 | 3.5 |
時間給賃金 前月比(%) | 0.2 | 0.3 | 0.4 | 0.0 | 0.4 | 0.2 |
時間給賃金 前年比(%) | 3.1 | 3.3 | 3.2 | 3.0 | 3.2 | 3.1 |
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
米労働市場の堅調さ持続の一方で、低インフレ継続
・就業者数は26.6万人、10月が速報値比+2.8万人、9月が+1.3万人の上方修正
・民間セクターの雇用が25.4万人増(10月:16.3万人増、9月:18.3万人増)
・労働参加率が前月(63.3%)から63.2%へ低下した影響もあり失業率は3.5%へ
・時間給賃金$28.29 (10月:$28.22 9月:$28.12 18年11月:$27.43)
・賃金上昇は緩やかながらも、低スキル雇用やパートタイマーの賃金も緩やかに上昇
・低インフレの状況に変わりはなく、FRBは当面の金融政策を維持する見通し
・レジャー産業の雇用が4.5万人増、個人消費の強さを反映したとの見方
・全産業に万遍なく雇用が拡大していることを確認 堅調な労働市場の持続に自信
非農業部門雇用者数(万人)の推移

- ※出所:米労働局
米時間給賃金(%)の推移

- ※出所:米労働局
対中制裁関税発動を巡るトランプ大統領の判断は?
11月の雇用統計は、米国GDPの約70%を占める個人消費の堅調さ持続を裏付ける結果となりました。
家計が厳しい状況になった際に真っ先に節約される支出の一つにレジャー関連が挙げられますが、9月の5.6万人増、10月の7.0万人増に続き11月も4.5万人増と前年同月(3.9万人増)と比べても堅調を維持。また、製造業の雇用も4.8万人増と前月(2.5万人減)から改善しました。
12/2に発表された米11月ISM製造業景況指数は、前月(48.3)からの改善予想に反し48.1へ低下。8月以降4ヵ連続で好不況の節目とされる50.0を下回る冴えない状況が続いています。
製造業の回復が遅れると、堅調な個人消費にも影響が出る可能性があります。トランプ政権が12/15に発動を予定している対中制裁関税(1600億ドル相当)の対象品目にはノートPCやスマートフォンが含まれており、米個人消費への影響を懸念する声も聞かれます。
12/15に迫った対中制裁関税の発動を延期するのか、凍結するのか、今後の米国経済の行方を左右する大きな材料になると見られているほか、金融政策を当面継続すると見られるFRBの政策判断にも影響する可能性があるだけに、トランプ大統領の判断が注目されます。