米11月雇用統計 (非農業部門雇用者数前月比/失業率 等) |
発表時間: |
12/6(金)22:30(日本時間)
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前回値: |
+12.8万人 / 3.6% |
事前予想: |
+18.8万人 / 3.6% |
米11月雇用統計 予想を確認!
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月予想 | |
非農業部門 雇用者数(万人) | 17.8 | 16.6 | 21.9 | 18.0 | 12.8 | 18.8 |
失業率(%) | 3.7 | 3.7 | 3.7 | 3.5 | 3.6 | 3.6 |
時間給賃金 前月比(%) | 0.2 | 0.3 | 0.3 | 0.0 | 0.3 | 0.3 |
時間給賃金 前年比(%) | 3.1 | 3.3 | 3.3 | 3.0 | 3.0 | 3.0 |
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※出所:SBIリクイディティ・マーケット
※市場予想は12/2現在の予想平均値
前回の米10月雇用統計の総括
【堅調な米労働市場を確認、FRBの金融緩和休止を正当化】
・8月(+5.1万人)、9月(+4.4万人)と合わせて9.5万人増と上方修正
・直近3ヵ月の月平均就業者数が17.6万人増
・GMストライキでの減少が4.2万人、政府の臨時職の雇用終了でも堅調持続
・労働参加率63.3%へ上昇、2013年8月以来の高水準、失業率の上昇の一因
・レストランを含む接客:6.1万人増、ヘルスケア:3.42万人増
・12月FOMCの追加利下げ観測が後退、FOMCの利下げ休止を正当化
11月雇用統計の注目点
【米国の経済成長を支える好調な労働市場は継続するか?】
今年9月に1969年12月以来の低失業率となる3.5%を記録し、10月も3.6%と低水準を維持しており、11月の市場予想も3.6%となっています。さらに、11月の就業者数は直近3ヵ月の平均である17.56万人増を上回る18.8万人増が見込まれています。
堅調な個人消費を下支えする低失業率と就業者数の増加に加え、時間給賃金も10月まで15ヵ月連続で前年同月比3.0%を上回る水準を継続しており、11月も引き続きこうした堅調な労働市場が継続すると見られています。
しかし、製造業の空洞化が進んでいる中西部や南部では、平均よりも高い失業率が続いています。ミシガン州・デトロイトにあるゼネラル・モーターズでは、先月ストライキが行われたことも影響し、ミシガン州の失業率は全体(3.6%)を上回る4.1%を記録。さらに、2022年6月に石炭火力発電所の閉鎖が決まっているほか、エネルギー関連企業の経営破綻の影響などからオハイオ州でも失業率が4.2%と高い失業率となりました。
今回は、前月ゼネラル・モーターズのストライキ収束したこともあり、就業者数改善に寄与すると予想されています。一方、10月の住宅着工件数は前月比+3.8%、住宅着工許可件数も12年5ヵ月ぶりの高水準となる146.1万戸(年率換算)と好調なほか、10月の中古住宅販売件数も546万戸と、7月以降の月平均では543万戸と高水準を維持しており、建設業での就業者増に寄与していると思われます。
先週11/27に発表された米7−9月期GDP改定値が前期比+2.1%と速報値(+1.9%)から上方修正され、設備投資も速報値から改善が見られており、こうした米国経済の堅調な状況が労働市場にも好影響を及ぼしていると見られています。おそらく2019年の米成長率は+1.8%〜+1.9%、来年は+1.8%と今年から若干減速すると見られているものの、米中通商交渉の進展による企業の設備投資への意欲が一段と回復するか注目されます。
また、史上最高値を更新しているNY株式市場が堅調を維持するのか、低成長・低インフレの適温経済が持続するのか、大統領選の行方も含め米国経済の先行きに対する先行きを占う観点からも、米11月雇用統計が注目されます。
非農業部門雇用者数(万人)の推移
- ※出所:米労働省
米時間給賃金 前年比(%) 、 前月比(%)
- ※出所:米労働省