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どうなる!?激化する米中報復合戦

2019/8/27
提供:SBIリクイディティ・マーケット社

米中対立激化が世界経済下振れへの警戒感を助長

先週末8/23に、中国がトランプ政権の対中制裁関税に対する報復措置を発表しました。

トランプ大統領は、激しく中国の報復措置を非難し、更なる制裁関税を打ち出すなど、米中間での報復合戦が世界経済下振れへの警戒感を助長するとして、株式市場から債券市場へと資金が流出しています。

中国の報復措置は、米国の農業にネガティブとなるとの報道も嫌気され、NYダウは一時745ドル安まで下落し、623ドル安の25,628ドルで先週末の取引を終了したほか、ナスダックも239Pts安の7,751Ptsで取引を終えるなど、大幅な下落となりました。

また、米債券市場でも一時2年債利回りと10年債利回りとの長短金利が逆転、終値でも2年債1.533%、10年債1.535%とフラット化して先週末の取引を終えました。

こうした動きを受けて、ドル円も105円26銭へ下落、さらに週明けの東京市場では朝方に2016年11月以来の円高水準となる104円46銭まで円高が加速する場面が見られました。

ジャクソンホールで講演した英中銀カーニー総裁は、ドルが世界経済の安定性を失わせているとし、各国の中央銀行がドルに代わる基軸通貨の設定に向けて団結する必要があるかもしれないとの考えを明らかにするなど、警戒感を示しています。

中国政府「米国輸入品750億ドルに報復関税を発動へ
・「9/1から米国産大豆に5%の追加関税」
・「12/15から米国産自動車・自動車部品に対する追加関税を再開」
・農産品、衣服、化学品、繊維など対象⇒Moody`s 米農業へネガティブな影響
・国務院によると、中国は報復関税の未対象の米国製品ほぼ全部に
・5%または10%の関税を発動する予定

トランプ大統領、中国の報復制裁措置に応酬
・10/1から、2500億ドル相当の中国製品に対する関税を25%⇒30%へ引き上げ
・9/1から発動予定の関税について、税率を10%⇒15%に引き上げ
・「米国は何年にも渡り愚かにも中国に対し数兆ドルを失ってきた」
・「彼らは年間数千億ドルペースで知的財産を盗み、今後も続けたいと考えている。
そうはさせない!米国は中国を必要としていない。正直、いない方がはるかに良い」
・米企業に対し、生産拠点を米国に戻すなど「即座に中国の代替を探す」よう要求

トランプ大統領は、米企業に対する生産拠点を米国に戻すなど「即座に中国の代替を探す」よう要求しています。

1977年の国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づけば、米企業に中国からの撤退を強制させることは理論上は可能であり、こうした法に基づく強制的な動きがあれば、市場は混乱するとの警戒感が見られます。

この件について、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、トランプ大統領が企業に対し指示を出す意図はないとしたほか、ムニューシン財務長官も大統領としての権限を行使し、米企業による中国撤退を命じる計画はないと言及しています。

警戒すべき9月

以前、米国がワシントンで米中通商交渉を行っている最中、トランプ大統領は対中制裁関税の発動を表明、NYダウはその後、6月にかけて下落しました。

今回も、現状では7月高値から5月同様の7.5%安となっており、NYダウが一段と下落し、6/3のザラ場安値(24,680.57ドル)を下回る水準まで下落するか、一つの目安として注目されます。

https://a248.e.akamai.net/f/248/29350/7d/pict.sbisec.co.jp/sbisec/images/base/g_market_report_fx_toku_190827_02.gif
  • ※出所:SBIリクイディティ・マーケット

こうした中、先週末のジャクソンホールでの講演で、パウエルFRB議長は以下のような内容を発言しています。

◇利下げ幅や利下げ時期への具体的言及はなし
「成長を持続するために適切な行動をとる」
「米国経済の成長見通しは依然好ましい。著しいリスクに直面」
「世界経済の成長減速の一段の証拠が見られている」
「世界の状況、市場動向、貿易政策を注意深く監視」「米国経済は全般的に良好」 「FRBはゼロ金利に近い水準を脱することが困難なリスクに直面」
「金融安定リスクは緩やか、依然柔軟性がある」
「FRBの鍵を握る論点は低金利下で、どのように責務を達成するか」

パウエルFRB議長の発言は、トランプ大統領が対中報復措置を発表する前の発言でしたが、先週、ボストン連銀ローゼングレン総裁が、通商問題を巡る不透明感、景気への影響がどの程度にまで及ぶのか、非常に予測しにくい状況にあるとの考えを明らかにしています。

中国の4-6月期実質成長率が前年同期比+6.2%と1992年以来の最低水準に達したほか、中国7月鉱工業生産も前年同月比+4.8%と2002年2月以来の低水準となっています。

さらに英国や独の4-6月期GDPが前期比マイナス成長に陥るなど世界経済の減速懸念への警戒が高まる中、FRBが引き続き緩和政策を一段と高めるのか注目されます。

9/1に迫った米中両国による関税発動が金融市場にどのような影響を及ぼすのか、日銀、ECB、FRBをはじめ各国中銀が一段の緩和競争を加速させることになるのか、また、切り札が限られる日銀の金融政策を見透かすように一段と円高が加速するのか、いよいよ警戒すべき9月を迎えることとなります。

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