テイラー・スウィフトの発言は影響力大!
11/20-21に東京ドームで公演を行う米国の人気女性シンガー、テイラー・スウィフトは、10/9にアメリカン・ミュージック・アワードの授賞式で最高賞となる「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」をはじめとする4部門を受賞。ツイッターのフォロワーが8,560万人、インスタグラムのフォロワーが1億1,200万人と、アメリカで最も影響力が強い一人とされています。
その彼女が、授賞式のスピーチで11/6の米中間選挙への投票を呼びかけました。彼女はインスタグラムで「これまで女性候補に投票してきたが、テネシー州から出馬のブラックバーン共和党候補は、男女平等賃金と女性への暴力防止法の再認証に反対票を投じたため、上院ではブレデセン民主党候補、下院ではクーパー民主党候補に投票する」と表明したことで、テイラーの若者ファンを中心に、投稿後24時間以内の中間選挙投票への有権者登録者数が6.5万人に上るなど、影響力が注目されています。
11/6の中間選挙では議会上院(定数100)の35議席(含む2補選)、議会下院(定数435)の全議席が改選されます。10/14のワシントンポスト電信版は、最新の世論調査を発表、登録有権者の76%が投票に行くと表明、4年前の同時期の調査結果63%を上回るなど、関心の高さが窺われます。下院では、民主党支持が53%と、共和党支持の42%を上回っており、8月下旬以降続く下院での民主党優位は変わっていません。
また、別の世論調査でも、議会上院で共和党が過半数を維持する一方、下院では民主党が過半数を奪還し、政権(共和党)と議会(民主党)とのねじれが生じるとの予想が多数を占めています。
つまり、上院で共和党、下院で民主党がそれぞれ過半数を獲得するとのコンセンサスが出来上がりつつあるだけに、こうしたシナリオ以外の結果となった場合に、金融市場の反応は大きく異なることになりそうです。
上下両院ともに共和党が過半数を維持すれば、ドル高・円安が進み、115円を上回る可能性が見込まれる一方、上下両院ともに民主党が過半数を奪還することになれば、予算審議の遅れや重要な法案が滞るほか、トランプ大統領の弾劾への思惑を背景に110円を割り込み、108円台前半までの円高が再燃される可能性も取り沙汰されそうです。
※出所:SBIリクイディティ・マーケット
年末相場を占う上での注目点は!?
NYダウは、10/3に史上最高値の更新(ザラ場:26,951ドル、終値:26,828ドル)を記録しましたが、その後、10/11にはザラ場で24,899ドルまで下落、10/12には287ドル高と反発したものの先週1週間で約4%下落しており、調整が続いています。
10/12の大手米銀の7-9月期の決算を皮切りに、今週以降本格化する米主要企業の7-9月期決算では、10/12時点で前年同期比19.1%の増益が見込まれています。
10/3の史上最高値を付けて以降の急落を契機に、ボラティリティーの高い状況が続くものの、中間選挙が想定通り(上院:共和党、下院:民主党)で終えることになれば、年末に向けてNYダウは再度史上最高値を更新する可能性があるとも言われています。
しかし、米中貿易問題の長期化が懸念される状況が続けば、米国のみならず、日本や欧州各国企業の設備投資にも影響が及ぶ可能性があり、中間選挙を終えて以降も慎重姿勢が続くとの見方も聞かれます。
中間選挙やFRBの金融政策、さらに米中貿易問題を巡り年内にも米中首脳会談が開催される可能性があるのか、年末相場を占う上で動向が注目されます。
さらに、米ムニューシン財務長官が日本との貿易協定を巡る交渉で為替条項を要求、これに対し、茂木経済再生相は「日米間で為替の話が問題になっているとは思わない」と発言しています。両国の主張に隔たりがあるだけに、日米間で為替問題が懸念される事態となりかねません。
少なくとも、今年度の大企業製造業の想定為替レート(107円台)を上回る状況が続くのかが、下値目安の一つとなりそうです。
※出所:SBIリクイディティ・マーケット