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株高は進めど円安は進まず

2017/10/18
提供:SBIリクイディティ・マーケット社

11連騰の日経平均とドル円の関係は?

日経平均は、指数先物の外国人投資家らの買いが断続的に流入しているとの観測も聞かれ、およそ21年ぶりの水準まで上昇しています。

10月に入って以降、10/17終値時点では一度も前日比がマイナスになることはなく、11日続伸となりました。7〜9月期の主要企業の決算発表を間近に控えて好業績が期待できる銘柄を中心に外国人投資家らの買いが増加し、21,336円で取引を終了しています。

株式市場は、日経平均が2015/5/15〜6/1にかけて記録した12日続伸という記録にまで上昇を継続することができるか、また、22日の衆院選を経て安倍政権の支持基盤が強化されるかを注目しています。

一方、ドル円は10/16のNY市場で111円67銭まで反落、10/6の米9月雇用統計直後に付けた113円44銭の高値から1円77銭ほど円高が進んだことになります。上昇が続く日経平均に対して、ドル円は約1.5%円高が進行する結果となりました。

一般的に円安の進行は日本企業の収益押し上げにつながると言われているほか、株式市場は投資家のリスク選好の動きが強まることで株高につながるといった説明がよく聞かれます。

先週末のドル円の値動きは低水準が続いたほか、恐怖指数といわれるVIX指数も9.61まで低下しました。こうした状況では相対的に低金利の円を売って高金利のドルを買う動きが強まるとされてきましたが、これまで見られてきた株高・円安の同時進行とは違った値動きとなっているのが、今回の株高の特徴かもしれません。

日経平均 日足(6ヵ月間)

米ドル円 日足(6ヵ月間)

日経平均、米ドル円 日足 対比(3ヵ月間)
  • ※出所:Quants Research Inc.

アメリカのインフレペースは?

10/13に発表された米9月消費者物価指数は前月比0.5%上昇し、今年1月以来の上昇を記録したものの、その主因はハリケーンによるガソリン価格の大幅上昇という特殊要因が影響したものでした。
変動の大きい食品・エネルギーを除くコアCPIは、前月比+0.1%と極めて緩やかな上昇に留まったほか、前年同月比でも+1.7%と伸び悩みました。

9月米消費者物価指数[コア]  前年比 推移
  • ※出所:Bloomberg

米消費者物価指数の伸び悩みを受けて、FRBの年内追加利上げ観測は大きく変化しなかったものの、来年以降の利上げペースを巡り、『当初想定されていた2018年の年内3回の利上げペースには無理がある』といった見方も聞かれました。
11/6に発表された米9月雇用統計での時間給賃金の上昇により、低インフレは解消しつつあるとの見方が出た後のインフレ指標だっただけに、消費者物価指数の伸び悩みは市場の期待を裏切る結果となったのかもしれません。

米消費者物価の結果を受けて、米10年債利回りは2.27%台へ低下、低インフレからの脱却にはしばらく時間が掛かりそうというのが現状です。

直近のユーロ情勢は?

ドラギECB総裁は、「ユーロ圏経済の成長ペースは上向いたものの、インフレは依然として弱過ぎる」、「ECBの目標とする2%弱の物価上昇率への進展にはまだ十分な説得力がない」と発言しています。
また、コンスタンシオECB副総裁からも「昨年終盤に期待されていた成長加速とインフレ上昇のシナリオは実現しなかった」、「インフレ率を主要中銀の目標近辺まで押し上げることが極めて困難であることを示している」と、インフレ見通しに慎重な見方が示されたことがユーロ上昇の足かせとなったほか、ユーロ円の上昇にもブレーキを掛ける結果となっています。

加えて、英国のEUからの離脱交渉を巡り、清算金、在英EU市民の居住権利など幾つかの重要な点で交渉が進展せず、ポンドの対ドル、対円での伸び悩みもドル円上昇の足かせにつながっている可能性もありそうです。

ユーロ円 日足

ポンド円 日足

  • ※出所:FX総合分析チャート

各国の行き過ぎとも思われる金融緩和の長期化、過剰流動性の懸念もあるだけに、米FRBとECBの金融政策の行方が注目されます。今後の政策の行方次第では株高に遅れて急速な円安に転じる可能性もあり、ドル円のみならず、クロス円の動向も含めて注視していく必要がありそうです。

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