【FOMC政策金利】 高確率で予想されている利上げ以外の注目点は?
6/15(木)3:00 FOMC政策金利発表! 注目点は?
【1】6/13現在、高い確率で利上げを織り込んでおり、利上げ発表で債券市場は金利上昇で反応するのか
【2】年後半に実施される予定の今年3回目の利上げに向けて、足許の景気判断をどのように評価するのか
【3】バランスシート縮小議論では、具体的なスケジュールの言及はあるか
【4】6/14(水)発表の米5月消費者物価指数や小売売上高がFOMCの判断に与える影響
昨年12月のFOMCでは、今年末までに3回の利上げを示すドット・チャート(委員による今年、来年、再来年末の政策金利見通し)が示されましたが、そのスケジュール通りに今回の利上げが実施された後は、9月もしくは12月が3回目の利上げ時期として有力視されています。
しかし6/15の利上げが確実視されているにもかかわらず、米10年債利回りは2.20%付近に停滞するなど債券市場の反応は鈍くなっており、円安が加速するような雰囲気は見えてきていないのが現状です。
米10年債利回り推移
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
米大統領選以降の米10年債利回りの推移を見ると、12月のFOMCを前にして2.62%台まで上昇、ドル円も118円66銭まで上昇しました。しかし、その後、年初1/3の118円60銭を高値に2月には111円60銭まで下落するなど、FOMCの利上げ前後をピークに円安基調は続かず、米長期金利低下と合わせるように円高基調に転換しています。
ドル円推移 (日足)
- ※出所:FX総合分析チャート
3/10に発表された2月雇用統計の発表直前のドル円は115円49銭まで上昇したものの、FOMCがバランスシートの縮小を年内に開始することが適切との認識を示したことで、今後の利上げペースは緩やかになるだろうとの見方が広がり、米10年債利回りは低下しドル円も円高に転じました。
さらにトランプ政権の税制改革の実施が遅れるとの見通しと、4月に公表された米経済指標に予想を下回るものが目立つようになり、景気減速の懸念が高まったことも一段の金利低下につながり、4/17のドル円は108円13銭まで下落しました。
3ヵ月ごとのお決まりの利上げでは市場の反応も薄くなる?
飲み屋などでよく見かける「とりあえずビール!」の光景では、気温が上昇し乾いた喉ごしの最初の一杯は「旨い!」と感じる至福の時も、2杯、3杯と続くにつれて最初に感じた「旨い!」の感覚が徐々に薄れていくように、12月、3月に続く今回のFOMC利上げでも、3ヵ月ごとに当たり前のように実施されることになると、サプライズ感も薄れます。
むしろ通常予想される市場の反応とは逆に、金利低下、円高への転換点になってしまう懸念もあり、発表後の市場の動きには注意が必要です。
また、今回はバランスシート縮小の規模や実施時期など、より具体的な指針が示されるか注目されます。
前述のとおり、3月のFOMCでは、バランスシートの縮小が示されたことで、利上げペースは極めて緩やかなものになるとの見方を背景に長期金利が低下、ドル円の円高基調が強まるきっかけとなりました。
今回のFOMCではイエレン議長の来年2月の退任に向けて、バランスシート縮小開始時期が早まることになるのかについても焦点となりそうです。