米9月雇用統計 (非農業部門雇用者数前月比/失業率 等) |
発表時間 |
10/2(金)21:30(日本時間) |
前回値 |
+17.3万人 / 5.1% |
事前予想 |
+20.0万人 / 5.1% |
注目されていた9月のFOMCでは、利上げ決定が見送られたが、8月雇用統計の結果が満足する結果とならなかったことも、見送りの一因となったと考えられる。FOMCでは、“利上げの根拠が出るのを待ちたい”との議長発言もあり、今回の雇用統計の結果が・・・
前回発表時(9/4)の主要通貨の動きをチャートで振り返る
米ドル/円
- ※出所:FX総合分析チャート 15分足
ユーロ/円
※出所:FX総合分析チャート 15分足
ユーロ/米ドル
※出所:FX総合分析チャート 15分足
雇用統計直前予想レポート
9/4に発表された8月の米雇用統計では、景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数が+17.3万人となり、市場予想の21.7万人を大きく下回る結果となった。一方、失業率は、前月から0.2ポイント低下の5.1%に改善し、2008年4月以来7年4ヵ月ぶりの低水準となった。発表直後は、注目されていた非農業部門雇用者数の伸びが安定的とされる+20万人を4ヵ月ぶりに下回ったことを受けて、ドル/円は118.56円まで下げる動きとなった。しかし、失業率が大きく改善したことや、6月と7月の非農業部門雇用者数の伸びが上方修正されたほか、3ヵ月の平均で+22.1万人となり20万人以上を維持したことが好感され、119.60円まで反発する動きとなった。ただ、結果が強弱まちまちとなったことから、9月のFOMCで利上げが決定されるかどうかの思惑が交錯し、ドル/円はやや乱高下する動きとなった。
図:米ドル/円 5分足
※出所:FX総合分析チャート
民間部門の雇用者数の伸びは、+14.0万人と7月の+22.5万人から急減速、また製造業は-1.7万人(7月+1.2万人)とマイナスとなった。小売業も+1.1万人(7月+3.2万人)と伸びが縮小、また原油安で操業縮小が続く鉱業は-1.0万人とマイナスが続いた。一方、教育・医療サービスは+6.2万人(7月+5.3万人)と伸びが拡大、政府部門も+3.3万人(7月+3.0万人)と伸び幅が拡大した。
そして、フルタイムで働きたいのにパートの仕事しか見つからない人や、求職活動を諦めた人も含めた広義の失業率(U6)は0.1ポイント改善の10.3%まで低下した。一方、失業期間が半年以上の長期失業者は、前月比+0.7万人の218.7万人で、失業者全体に占める割合は27.7%(前月26.9%)に拡大した。また、時間当たりの賃金は25.09ドルで前月から+0.3%、管理職を除くベースは21.07ドルで+0.2%となった。
表:統計結果と今回の市場予想
|
9月市場予想 |
8月 |
7月 |
6月 |
5月 |
4月 |
3月 |
2月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
失業率(%) |
5.1 |
5.1 |
5.3 |
5.3 |
5.5 |
5.4 |
5.5 |
5.5 |
非農業部門雇用者数(万人) |
20.0 |
17.3 |
24.5 |
24.5 |
26.0 |
18.7 |
11.9 |
26.6 |
民間部門雇用者数(万人) |
19.8 |
14.0 |
22.4 |
21.8 |
25.2 |
18.9 |
11.7 |
26.1 |
製造業部門雇用者数(万人) |
0.0 |
-1.7 |
1.2 |
0.1 |
0.6 |
0.0 |
0.6 |
0.3 |
※出所:SBIリクイディティ・マーケット作成
※市場予想は9/29現在の予想平均値
前回、+20万人を下回る結果となったことから、やや慎重な予想となっている。そして、注目されていた9月のFOMCでは、利上げ決定が見送られたが、8月雇用統計の結果が満足する結果とならなかったことも、見送りの一因になったと考えられる。FOMCでは、“利上げの根拠が出るのを待ちたい”との議長発言もあり、今回の雇用統計の結果が利上げの時期を左右する可能性もあることから、引き続き注目度は高いと言える。失業率に関しては、すでにFOMCの四半期予想に一致する水準に達しているものの、雇用者数の伸びに関しては、安定的な伸びとされる+20万人を回復できるかが一つのポイントとなるだろう。また、賃金の指数にもまだ懸念が残っており、賃金の伸び幅にも注目が集まるだろう。
米雇用統計 非農業部門雇用者数月次推移(米労働省発表)
- ※乖離=実績値-予想値
- ※左軸:実績値、予想値 右軸:乖離
- ※Market Win24のデータを元にSBI証券が作成