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日銀金融政策決定会合
発表日程 |
5/21(水)昼頃 時間未定 |
4月15日に安倍首相と黒田日銀総裁が首相官邸で消費増税後の日本経済への対応についての会談を持ったことで、気の短い市場参加者の中には4月30日の日銀金融政策決定会合での追加緩和への期待を抱いた人もいたようです。しかし結果はご存じの通り、政策の現状維持を政策委員9人全員一致で決定しました。その後・・・
2013年の日銀「量的・質的金融緩和」発表前後の日経平均株価と米ドル/円の動き
- 出所:Bloomberg
2014年2月以降の日経平均株価と米ドル/円の動き
- 出所:Bloomberg
<特集>〜黒田総裁のこの先の一手と相場上昇?を読む〜
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日銀の追加緩和のタイミングと為替・株へのインパクト
4月15日に安倍首相と黒田日銀総裁が首相官邸で消費増税後の日本経済への対応についての会談を持ったことで、気の短い市場参加者の中には4月30日の日銀金融政策決定会合での追加緩和への期待を抱いた人もいたようです。しかし結果はご存じの通り、政策の現状維持を政策委員9人全員一致で決定しました。その後、市場は5月2日の米雇用統計に注目、結果は非農業部門雇用者数が市場の予想を大幅に上回り、失業率も改善されました。米ドル買いが大きく進んでも不思議ではなかったのですが、米ドル買いとなったのは発表直後の短時間に留まり、その後は米ドルが徐々に軟化を続けています。雇用統計の詳細内容が手放しで評価できなかったことや、ウクライナ情勢など外部環境の悪化により安全資産である円買いが再び盛んになり、米ドル/円相場に下方圧力が掛ったことが理由となっているようです。
今日(5月12日)現在も、米ドル/円相場は米ドルの上値が重い状態が続き、日経平均も1万4,100円台に留まっています。黒田日銀総裁は、安倍首相との会談後を含め機会あるごとに「必要であれば躊躇なく金融政策の調整を行う」と発言しているものの、当分追加緩和は行われないとの見方が広がりつつある影響も少なくないようです。しかし、こうして米ドル円/相場の円高が進み、日経平均にも元気が見られなくなれば、再び日銀の追加緩和への期待が膨らみ始めることになります。一時は追加緩和の決定が有力視されていた5月の日銀金融政策決定会合を含め、どの月の日銀会合が追加緩和を決定するタイミングなのか、またその際の為替や株への影響がどの程度なのかを改めて探ってみました。
昨年4月に導入された異次元の金融緩和以降、今年2月に3月末に期限が切れる金融機関向けの低利融資策の延長と増額が決められた以外、いわゆる追加緩和措置は採られていません。しかし、国内外から「アベノミクス効果」も期限切れだとの評価が増えている上に、4月は持ち堪えた国内景気も今後の消費税増税後の消費の反動減を考えると、今夏頃までの日銀会合での追加緩和を想定しておく必要もありそうです。
黒田総裁が繰り返し発言しているように、追加緩和を躊躇なく行う大前提となるのは、2%の物価目標達成が実現への道筋から大きくかけ離れる場合です。4月の月例報告が国内景気の基調判断を下方修正した際に一時追加緩和への期待が高まりましたが、その後、4月下旬に発表された全国消費者物価指数も僅かながらも前月から改善、東京都区部に限った数字は2.9%を示すなど、この大前提を基にして考えると追加緩和の見送り説が広がってきているのも頷けてきます。
そこで見直しておきたいのが市場で語られる日銀の追加緩和への次の3条件です。
表1:日銀の追加緩和への次の3条件
これらが揃えば高確率で追加緩和が行われることになることになるのでしょうが、2)の物価上昇に日銀はシナリオ通りに動いていると自信を持っているようですが、先ほど述べたように今後数字が思惑通りに進まなくなった時の予防的措置を講じる必要があることを前提に話を進めたいと思います。そうなると、まず条件1)については、米ドル/円相場と日経平均とも、まだ前提条件となる下限を割り込んではいませんが、下限までの糊代幅も小さく市場の米ドル/円と日経平均の足元センチメントを考えると、余裕があるような状況ではありません。条件3)ですが、相場に刺激を与えたかった安倍首相は、昨年6月にも黒田総裁と会談をしています。この後、黒田総裁は「長期国債買い入れの運営について」のコメントを出し、売られていた長期国債は見事に持ち直し、日経平均も上昇に転じました。同じような意図を持って臨んだ二人の会談は昨年末にもありましたが、この時には日経平均は上昇するどころか、その後2,000円ほど値下がりする展開となっています。4月の会談は昨年6月の再現を狙ったもので、暮れ12月の会談の二の舞を如何に回避するかを相談していたはずです。そこでウクライナ情勢の不透明感や、すぐ後に控えている米雇用統計の発表もあり、4月30日の会合での追加緩和は見送りとなったのではないでしょうか。また、12月会談の二の舞となるのを回避する事に加え、追加緩和に最大の効果を発揮させるために、次のような側面、後方支援策と組み合わせて臨むという算段があったはずです。
表2:二の舞を如何に回避するか
こうした点から推測すると、追加緩和の可能性がかなり低下してしまった5月21日の会合でも、前日までに目論み通りTPP交渉の妥結をみることにでもなれば、サプライズを伴う実施があるのかも知れません。TPP交渉に進展がない場合には、次の可能性は日本市場から離れ始めたといわれる海外投資家を引き戻すのに大きく貢献することになりそうな新成長戦略を打ち出した後の7月15日の会合が筆頭候補日になりそうです。来年に予定される10%への消費税引き上げには何としても7−9月期の強いGDP実現が必要なことも大きな理由です。
表3:今後の日程
追加緩和があった際の相場の反応ですが、株については専門家にその予想を委ねたいのですが、素人的には16,000円の回復と年末に向けてそれ以上プラス・アルファを狙うことになるでしょう。米ドル/円相場は、日銀の決定前の水準にもよりますが、どのタイミングでも105円までの米ドル上昇が精一杯ではないでしょうか。さらなる円安には、強い米経済成長と金利上昇、そしてウクライナ情勢の安定などの地政学的リスクの解消も前提になりそうです。
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