2020/6/23
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」6月22日号より抜粋
米小売売上高の前月比は急回復
■ 米景気急回復の期待には危うさも
新型コロナ感染再拡大の懸念や米欧景気の急回復の期待等が入り乱れる中、金融市場の変動性が上昇しています。先々週に5.6%下落したNYダウは、先週+1.0%反発。先週16日公表の5月の米小売売上高は前月比+17.7%(前月▲14.7%)と急回復し(図)、コロナ・ショックで落込んだ米景気が急回復するとの楽観論も聞かれ始めました。
しかし、油断は禁物です。コロナ感染拡大と封じ込めで米国に2ヵ月先行する中国では、5月の鉱工業生産の回復速度が鈍化。3-4月の急回復の勢いが持続しませんでした。都市封鎖によって生産活動が凍結された後に封鎖が解除されると、企業は積みあがった受注に応じるため生産活動を再開し、生産が急回復。しかし、受注をさばいた後には、都市封鎖による雇用環境の悪化や消費需要低迷の影響が顕在化します。米小売売上高の急回復も都市封鎖時に先送りされた需要の顕在化や政府の家計支援策によるものとみられ、その持続性には疑問があります。
■ 主要国PMIや米中対立の動向に注目
主要国の景気回復期待や大規模な金融緩和などがリスク資産価格を支援するものの、コロナ感染再拡大や米中対立への懸念等から、当面、相場の変動性は高いでしょう。今週は、23日の主要国PMIで米欧の景況感の改善を確認の見込み。米中対立については、先週18日に米大統領がウイグル人権法案に署名。今月28-30日の中国の全人代常務委員会は香港国家安全法案を審議するとみられ、人権問題を巡る両国の応酬が注目されます。(入村)
今週の主要経済指標と政治スケジュール
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6/24(水) |
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6/25(木) |
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6/26(金) |
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注)(日)日本、(米)米国、(欧)ユーロ圏、
(独)ドイツ、(他)その他、を指します。
(NA)はデータなし。
日程および内容は変更される可能性があります。
出所) 各種情報、Bloombergより当社経済調査室作成
注)MSCI WORLD、MSCI EM、S&P先進国REIT指数は米ドルベース。
原油は1バレル当たり、金は1オンス当たりの価格。
騰落幅、騰落率ともに2020年6月12日対比。
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査室作成
注)上記3図の直近値は2020年6月19日時点。
出所)Bloombergより当社経済調査室作成
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