2020/6/16
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」6月15日号より抜粋
金融市場の不安定さは依然残る
■ 金融市場の不安心理が再び高まる
5日公表の5月米雇用統計が大きく上振れたことで米国経済に対する楽観的な見方が広がり、金融市場のリスク選好度は高まりました。しかし、FOMC(連邦公開市場委員会)で2022年末までゼロ金利を維持し、今後数ヵ月は少なくとも現行のペースで国債やその他の資産購入を継続することが示されるも、FRBの先行きの景気に対する慎重な見方が投資家の不安心理を呼び戻す形となりました。先週後半に主要国の株式市場は大きく下落し、国債が買われるなどリスク回避志向が強まりました。
■ リスク資産価格は再び上昇を試みる展開か
株式相場は下値を固めつつ、再度上昇を試みる展開が予想されます。ただし、新型コロナ感染が収束しても日米欧の実質GDPが2019年の水準を回復するには少なくとも3年はかかるとみられ、企業収益の回復には時間を要すると考えられます。ナスダック指数に続き日経平均もコロナ禍前の水準に戻す動きは、さすがに速過ぎると言えます。現在の株高は流動性持続への期待が支えており、資金供給量と実体経済が大きく乖離し、株式時価総額が対GDPで上昇し続けている点には注意が必要でしょう。
今週も米国で経済規模の大きい州での感染者数の再拡大などコロナ第2波リスクに注意が必要です。他方、6月のNY連銀、フィラデルフィア連銀製造業景気指数は5月に続き改善が見込まれています。経済指標が上振れれば、景気回復期待が再び高まることで景気敏感株が上昇し、株式市場が上向く可能性もあるでしょう。(向吉)
今週の主要経済指標と政治スケジュール
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6/17(水) |
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6/18(木) |
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6/19(金) |
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注)(日)日本、(米)米国、(欧)ユーロ圏、
(独)ドイツ、(英)英国、(中)中国、
(豪)オーストラリア、(伯)ブラジル、
(他)その他、を指します。
日程および内容は変更される可能性があります。
出所) 各種情報、Bloombergより当社経済調査室作成
注)MSCI WORLD、MSCI EM、S&P先進国REIT指数は米ドルベース。
原油は1バレル当たり、金は1オンス当たりの価格。
騰落幅、騰落率ともに2020年6月5日対比。
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査室作成
注)上記3図の直近値は2020年6月12日時点。
出所)Bloombergより当社経済調査室作成
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