2019/5/21
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」5月20日号より抜粋
3月に急伸した中国の生産は4月に減速
■ 米中通商交渉難航の懸念が市場の重しに
先週は米中貿易摩擦への懸念や、強弱まだら模様の米景気指標などから、市場はやや方向感を欠きました。米政府は先々週10日に対中輸入2,000億ドルへの制裁関税引上げを公表し、先週13日には更に3,000億ドルの対中輸入追加関税リストを公表。13日には中国政府も対米輸入600億ドルへの5〜25%の報復関税を発表し、貿易摩擦を巡る緊張が高まりました。15日には米企業による中国ファーウェイ社製品調達を事実上禁じる大統領令を公布。一方、中国が3月に米国債204.5億ドルを売却したことも判明。米国への攻撃との見方まで一部では浮上しました。
4月の中国の景気指数は、鉱工業生産が前年比+5.4%と前月の+8.5%より反落。今年の相場を支えると期待されれた(a)米金融当局のハト派化、(b)中国景気の安定化、(c)米中通商交渉の進展のうち、(b)と(c)に疑問符が付きました。欧州では、イタリアのサルビーニ副首相が、先週15日にEUの財政規律に反しても財政支出を行うと発言。同国を巡る懸念も再燃しました。
■ 今週は米金融政策動向と欧州議会選挙に注目
今週は、20日にパウエル米FRB議長の講演、22日には米FOMC議事録(4月30日-5月1日)の公表が予定されています。同FOMC後の会見で同議長は足元の物価低迷は一時的と発言しており、その根拠等に関心が集まります。23-26日の欧州議会選挙では、反EU派政党が躍進するかに注目。また、足元で支持率を伸ばす英国EU離脱派のブレグジット党の得票率も注視されるでしょう。(入村)
今週の主要経済指標と政治スケジュール
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5/22(水) |
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5/24(金) |
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注)★は特に注目度の高いイベント
注)(日)は日本、(米)は米国、(欧)はユーロ圏、(独)はドイツ、(豪)はオーストラリア、(中)は中国、(印)はインドを指します。日程および内容は変更される可能性があります。
出所) 各種情報、Bloombergより当社経済調査室作成
注)MSCI WORLD、MSCI EMは現地通貨ベース。
騰落幅、騰落率ともに2019年5月10日
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査室作成
注)上記3図の直近値は2019年5月17日時点。
出所) Bloombergより当社経済調査室作成
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